通産省の先輩が若くして亡くなった。沖縄の海での不慮の死だった。
先輩は、衆議院選挙を2回、知事選を1回戦って負けた。
能力も志も、今の日本の苦境には必要な方だった。もし政治家になっていたら、かならず国のために力になっている方だった。
ただ、私利私欲がなく、自分の表現が必ずしも上手くなかったからか、選挙には恵まれなかった。
選挙にさえ出なければ、順調に出世の階段を登られ、これまた私の先輩でもある奥様やご家族ときっと幸せな人生を送られてことだろう。
民主主義は残酷だと思う。
選挙が上手い人が、政治家として有能な人とは限らない。でも、選挙に成功しなければ、政治の表舞台にすら立てない。国にとって必要な人材が、今も大勢日本の各地で埋もれている。
私が20代の頃、若気の至りで天下国家を語り合った同志たちが、今全国で厳しい選挙を戦っている。選挙は命懸けだ。家族も犠牲にする。でも、その思いを、選挙区の隅々にまで伝えるのは、難しい。
深夜独りで酒を飲みながら、いろいろなことを考えた。
でも、やっぱり私自身の厳しい選挙戦を勝ち抜かなければ、私の思いも、同士たちの思いも何も成就しない。
さあ、明日からも自転車に跨って、訴えていかなきゃ。
ご冥福をお祈りいたします。