福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

風評被害緊急提言第二段

 週末は地元を回りながら、農家、町工場、商店街、飲食店、観光関係などさまざまな皆さんのお話を伺う。日曜日には岡田克也民主党幹事長に、使用不能となっている水戸市役所や水道部、大きながけ崩れが起こった宮町の東照宮周辺を見ていただき、茨城県も大きな被害を受けていることを再認識していただいた。みんな話したいことがいっぱいあって、あっという間に時間は過ぎていく。商店街ではショーウィンドーがやられてしまい、ビニールシートで応急の手当てをしながら寒い中営業をしている。めちゃくちゃになった会社の中をようやく片付けてみたら、仕事の量が激減している現実に直面した中小企業もある。緊急の復旧が一段落すると、日常の生活に戻るためにどうしたらいいか考えなければならない。仕事が回り、お金が回り始めなければ、日常生活が戻ることはない。改めて、これから政治が、政府がやらなければならない途方もない対策を思い知らされた。

 風評被害対策についても、さまざまな方針のようなものが政府から示され始めているが、これも現金が動くようにならないと、なんら解決策にはつながらない。下記のような緊急提言第二弾をワーキングチームでとりまとめ、政府に提言させていただいた。要点は、東電の補償を待つことなくまず政府がお金をだせ、ということだ。動きの鈍い政府の対応を、多少の苛立ち紛れに責め立てると、政権の中枢の人からよく「マスコミの報道が悪い」という言葉を聞く。しかし、それは野党の言うことである。私が通産省に入省したときに先輩から言われたのは「新聞は読むものではない。書くものだ」ということだ。入省1年生は新聞の切り抜きをさせられるのだが、それは単に切り抜くという作業ではなく、その記事の背景にどのようなことがあって、誰がどういう意図でその記事を書かせているのか考えろ、ということを叩き込まれた。多少権力意識の強すぎる話ではあるが、国家運営のためにはマスコミをも上手く利用するという意識が政権与党には必要であり、「マスコミが悪い」という言い訳は単に自らの政権運営の無能を表明しているにすぎない、ということだ。私は、そういう意味では、今般の国家危機に当たっては、政権交代の旗印に掲げた政治主導の政権運営に向けたチャレンジを行うのではなく、この際大連立を行い、官僚機構を上手く動かすことで復旧・復興対策を行うしかないのではないかと考えている。政治主導の政権運営のチャレンジは、一段落してからでもいいではないか。

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原子力災害に関する農林水産物被害緊急対策(緊急提言)②

 今般の福島第一原子力発電所事故に関する農産物被害に対する対応として、以下の事項について第二弾の提言を行います。なお、事態の緊急性に鑑み、本WTで今後も適宜緊急の提言を行わせていただきますので、対応検討方よろしくお願い申し上げます。

             記

1.原子力災害対策特別措置法に基づく内閣総理大臣の指示による出荷制限等によって生産・出荷の停止を行った生産者や事業者(以下「生産者等」)に対して、仮払いの検討を政府で行っているとのことである。原子力損害賠償法上一事業所当たり1,200億円を超える損害賠償や「異常に巨大な天災地変」の場合には政府が必要な措置を講じることとされており、今般の原子力災害はこれに該当することが確実であることから、東京電力との協議を待つことなく平成23年度本予算予備費や第一次補正予算等による政府資金を原資として、1ヶ月以内に速やかな仮払いを行うこと。その際、農協系統組織外で流通を行っている生産者等にも十分な配慮と情報提供を行うこと。

2.出荷制限を受けていないものの、自主的な生産・出荷停止を行っている生産者等や風評被害を被った生産者等も含めた補償措置を速やかに行うため、JCO事故後1ヶ月以内に立ち上がった「原子力損害調査研究会」と同様に「原子力損害賠償紛争審査会」を早急に設置し、相当因果関係の範囲と損害認定に関する基本的な考え方を速やかに決定するとともに、被害を受けた者が保持すべき記録等必要な対応を周知し、関係都道府県に損害賠償に関する相談窓口を直ちに設置するよう要請すること。

3.最近の大気中の放射線量の推移やサイトの状況、3月24日以降福島県以外の都道府県採取の農産物から暫定基準値を超える検出がなされていないこと等を踏まえて、頻度等について国が定める統一的なルールの下で地域ごと、圃場ごとの放射性物質の測定をきめ細かく行い、ベント等サイトの状況変化による対応変更の可能性を付言した上で、発電所から遠隔の地の出荷制限の段階的解除を行うこと。

4.以上の検討の結果出荷制限が解除できない場合には、出荷制限が長期間に及ぶことになることから、以下の対応を直ちに講じること。
 ①原乳の廃棄について「自己所有地に集中的に埋設」することとしているが、埋設場所が限界となることから、国有地の提供などこれに代わる方法を早急に指示すること。
 ②野菜等の廃棄について「まだ刈り取っていないものはそのまま放置」することとしているが、次期の播種の可能性も含め対応の見込みを早急に示すこと。