福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

TPPの結論、大詰め

先週、今週と朝から深夜まで経済連携PT役員として、侃々諤々の議論を行い、論点を整理し、取りまとめに向けて奔走している。地元になかなか戻れないのがもどかしいが、国の行く末を決める大事な議論。私の一期目の集大成として、全力を傾けて頑張るしかない。

昨晩深夜までかかって役員取りまとめ案を作成した。私は取りまとめ案起草メンバーの一人として、舟山参議院議員とともに下記のような案文を提出した。これまでのPTにおける議論を忠実に再現し、かつTPP参加に前のめり気味の総理を傷つけないように配慮して作ったつもりだ。直島元経産相や岡田元外務省らと激論を交わして、ようやく役員会案をとりまとめたのだが、すでに今朝の各紙ではリークされてしまっていた。しかも事実がねじまげられてリークされており、いよいよ大詰めを迎えて謀略戦となってしまっている。

昨晩取りまとめられた案は、「党内では慎重論が多数」したがって「政府はそれを踏まえた判断をすべき」というものであり、決して政府に対応を丸投げしたわけでも交渉参加表明を容認したものでもない。途中に推進派が挿入しかかっていた「政府の責任において
」という文言は激論の末落とされたことをみても、これは明らかだ。私たちは、決して守旧派として抵抗しているわけではない。下記の案文にも書いた通り、これまで政府が認めてきた情報を分析して、この時期にTPP交渉参加表明すべきかを冷静に判断した結果を忠実に主張しているだけである。現に、国民の多くは情報不足に不満を感じ、このTPPの話はなんだかいかがわしいと感じ始めている。

党幹部が、客観的情勢分析も戦略もなく、権力だけを盾に押し通そうとするならば、戦前の軍部独裁政権と体質は変わらない。惨めな結果は見えている。そうならないよう、あと1,2日体力の続く限り頑張らねばならない。

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【福島・舟山案】

昨年11月の党の提言を受けたこれまでの「情報収集のための協議」の結果、
①市場アクセス分野において、事前に特定の品目の「除外」を求めての交渉参加が非常に困難であり、センシティブ品目を含む関税の段階的撤廃を覚悟した交渉を行うことが必要であること
②市場アクセス分野以外においては、医療分野、金融分野、食品表示、サービス分野、政府調達など幅広い分野において、我が国がこれまで結んできたEPAを上回る制度の見直しが必要となるような提案が行われる可能性があること
③この間の動きを見る限りは、TPP協議参加国が「アジア太平洋地域の共通のルール」となるべく、中国や東南アジア等に急速に広がる見込みは小さいこと
④ハワイで開催されるAPECに合わせて現交渉参加9カ国による「大枠合意」がなされ、仮に我が国が交渉参加を表明したとしても米国議会をはじめとする各国の承認にはかなりの時間を要することからルールメーキングへの関与の余地は限定的であること
等が明らかになった。

こうした政府から提供された情報を踏まえ、党内で議論を積み重ねた結果、
A.まずは東日本大震災の復興に政府は全精力を割かなければならない
B.重要品目が関税ゼロとなった場合に地域経済や産業が対応することが可能か、それらに対する具体的な対策の可否を含めて更なる検討が必要である
C.非関税分野の交渉状況が次第に明らかになる中で、国民世論は割れており、国民各層への更なる情報提供と国民的議論に基づく一定の合意を醸成する必要がある
D.ハワイで合意される見込みの「大枠合意」の結果をまず分析し、対応を検討する必要がある
こと等から、まずはTPP交渉参加の可否の判断に向けて、我が国の立場を踏まえたハイレベルの協議を引き続き行うべきであり、今般のAPECにおいてTPPへの交渉参加を表明する段階ではない。