福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

台湾の双十国慶節

 先週の週末、地元日程の合間を縫って日華議員懇談会のメンバーとして、台湾のナショナルデー・双十国慶節に参加してまいりました。浪人時代から台湾の与・野党、民間、経済界も含めてさまざまなパイプを作ってきた身としては、外せない行事です。
 今年は尖閣諸島をめぐる様々な出来事があって、残念ながらいつもの友好一辺倒のものとはなりませんでした。国慶節前日、馬英九総統が式典当日に「尖閣列島は歴史的にも地理的にも法的にも中華民国のものである」旨のスピーチをする情報が伝えられたため、国会議員の訪問団は当日の式典の参列に欠席することを決めたのです。事前に外交ルートを通じて尖閣問題には触れないように調整を進め、台湾の外交部長(外務大臣)まではそのような方向で総統に進言したようですが、最終的に馬総統自らの判断で領土に関する発言をすることを決めたようです。馬総統は海洋法や領土問題をテーマにハーバード大学で研究をしていた方ですので、研究者としてのこだわりもあったのでしょう。聞くところによると支持率が10%台まで落ちているとのことなので、韓国の李明博大統領と同様、人気取りのために過激になってみたのかもしれません。
 国民党系のテレビ局は、「尖閣は台湾のもの」と叫ぶ民衆の様子を繰り返し伝えていましたが、一方野党系のテレビでは「式典の警備が過剰すぎる」など冷めた報道をしておりました。淡水という郊外の町まで行ってみましたが、街中の人たちも国慶節を祝うというよりは祝日をのんびり過ごしている様子で、領土問題で燃え上がっているという感じはしませんでした。
 台湾というと世界で一番親日的な国という印象がありますが、それだけに甘えてはいけないということが今回の一番の教訓です。式典を欠席したのち、台湾の亜東関係協会の主催の昼食会が開かれ、廖了以会長や王金平立法委員長(国会議長)などとともに一同複雑な思いを抱えながら痛飲をしたのですが、その際台日友好議連のの李鴻均会長は「友人として言いづらいことだけど、日本は今や四面楚歌だ。だからますます台湾と仲良くしなければならない」という旨のスピーチをされ、国内だけを見ていれば勇ましい言説を吐く人が多い中ですが、今の日本が置かれている厳しい状況を友人の直言から改めて再認識させられました。
 いずれにしても台湾は日本の生命線、運命共同体。そんな思いでこれまで築いてきた関係をさらに深めてまいった次第です。-----