福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

党改革創生本部

現職時代以来久しぶりに党本部に呼ばれ、党改革創生本部で衆議院選挙の総括について海江田代表らに意見を申し述べてきました。選挙の当落自体は3年3か月のそれぞれの議員の活動に対する評価であり、それぞれの議員の責任であることを前提として、以下のようなことを申し上げました。

1.史上初の現職官房長官の落選にこの選挙の失敗が象徴されている。
~これまで官房長官が落選したことがなかったのは、政権の中枢の中の中枢にいて、自らが落選するような解散はしてこなかったからです。早期解散総選挙を目指していた野党の自民党は選挙準備が万端整っていたのに対して、民主党マニフェストすら検討中であり、あらゆる面で準備が整っていませんでした。こうした状況ですから、戦略らしきものもありません。郵政選挙の例を出すまでもなく、政権与党は与党として自ら争点を示して一番効果的な時に解散して総選挙ができるはずであったのに、結果として争点のない単に民主党政権失敗の審判だけを受ける選挙となってしまっては大敗は目に見えていたのです。

2.民主党の政権への批判は党内のゴタゴタが原因ではない。ゴタゴタは結果であって、なぜ党内がゴタゴタしたのかの原因を明確にしなければならない。
民主党関係者や民主党のコアな支持者は党内がゴタゴタしたことが国民の批判を受けたと、政権運営失敗の責任を分裂していった小沢グループなどに転嫁しがちです。しかし私の実感では、このようなことを言ってくれる人は、まだ民主党を支持してくれている人です。今回の大敗の一番の原因は、無党派層がすべて離れていったこと。この層の民主党に対する批判は、「マニフェスト詐欺」「財務省が暗躍する偽りの政治主導」といったものであり、私たちが与党として政府を運営していった中身そのものに対する批判です。このような国民の声に対して、どのように対応するのか。マニフェストの原点に戻るのか、国民の声に背いてでも官僚の示す「現実的」な対応に変わるのか、その政治姿勢の違いにこそ党の分裂の要因はあったのです。
 私は消費増税の党内議論の時から、増税前にまずは金融緩和して円高・デフレ状況から脱却する必要があるということを、それこそ毎日のように唱えてきました。今の安倍政権が行っていることの一部は、党内でも経済理論に基づいて何度も議論されていたのです。なぜ、そのような党内議論が正しい意味での政治主導で政府の方針として実現しなかったのか、経済理論もろくにわかっていない財務省の官僚の論理ばかりを政権に入った政治家は聞いてしまったのか、具体的な事例に照らして政権運営の失敗を検証しなければ、国民はもう一度民主党に政権を託そうとは思っていただけないでしょう。
 それでもある政府に入った政治家は、「民主党政権の経済政策は間違えていなかった、アベノミクスは間違えている」と主張していました。そういう姿勢こそが、国民の思いに背を向けるものと言わざるをえません。現に円安が進み、株式市場は盛り上がっております。政治はどの経済理論が正しいかではなく、結果がすべてです。「市場の評価が間違えている」という姿勢で政治に臨むのだとすれば、そのような政党に国民は支持を与えないでしょう。今の円安・株高の傾向を肯定しながら、そのリスクにどう対応するのか提案することこそ、健全な野党のあり方ではないでしょうか。

 「野党から選挙を経て与党になり、再び野に下る」という政党は戦後初めてのことです。いかにこの間の失敗の経験をきちんと総括できるのか、そのことに日本の政治の成熟がかかっております。生き残った民主党の皆さんには、ぜひ組織を守るとか、支援団体の顔色を伺うといった内向きの論理ではなく、本質的、根本的な議論を積み重ねた上で、出直していただきたいものです。

-----