福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

霞ヶ浦導水事業は、まさに茨城のサグラダ・ファミリアだ

〇今日の「官報」茨城新聞。

 霞ケ浦と那珂川の水を行き来させる霞ケ浦導水事業は、世紀の愚策。無駄な公共事業の典型だ。私が生まれた昭和45年に予備調査が始まったが、当時は高度経済成長期。首都圏の水需要の伸長を予測して、那珂川の水を霞ケ浦に貯めて首都圏に送るために構想された。

 それからなんと50年。昭和60年に着工をしたが、首都圏の水需要は減り続け、事業を継続する正当性はなくなったが、今度は「霞ケ浦の浄化」という名目をこしらえて細々と事業を行ってきた。まさに茨城のサグラダ・ファミリアだ。

 広大な霞ケ浦に那珂川の水をちょろっと入れたくらいではまさに砂に水を撒くような話で、大した効果はない。むしろ異なる水系の水を混ぜるという自然摂理に反する行為は、生物多様性に甚大な悪影響を与える。実態は、事業費に建設省・国土交通省の職員の経費がついているから、年間10億円前後予算をつけて職員を養っているだけのものだった。

 これまで4回もの事業計画の変更を行い、1900億円の事業費の大部分を使っても実際には4割の長さしか完成していなかった。当然、今後当初の事業費をはるかに超える費用がかかることが想定されるが、事業を続けること自体に役所的な価値はあるのだから止められない。

 私は、この事業のずっと反対をし、中止にして浮いた予算で那珂川水系の治水事業や霞ケ浦周辺の下水道事業などに充てることを主張してきた。今回新たに必要となる495億円があれば、かなりのことができる。

 国土交通省は、私が議員でいる間には新規予算を計上してこなかったが、姑息にも落選している間に事業再開を決定したり、新規予算を積み上げたりしてきた。私の選挙区の筑波山の麓の地域の住民を取水口予定地にタダで連れてきて、「この事業ができれば霞ケ浦の水がきれいになって、美味しいお米がとれるようになります。それに反対しているのが福島先生です」と国家公務員にあるまじきデマを広げようとまでしていた。

 「官報」茨城新聞には「民主党政権下の事業凍結や、那珂川流域の漁協が国を相手に建設差し止めを求めた訴訟の影響で、近年は本格的な工事がストップしていた」と私が悪いように書いているが、調査が始まってから50年もかかって完成していないのだから、民主党政権ができるとっくの前から本格的な工事はすでにストップしていた。50年も経って完成できない理由を民主党政権のせいにするのは、ネット右翼か頭が少し足りない人だろう。いささかでもジャーナリズム精神があるなら、役所の言うことをそのまま書くのではなく、この事業の背景やこれまでなされてきた議論をちゃんと勉強すべきだ。

 これまでも事業計画が変更されるたびに工期は延ばされてきたので、今回も7年後に完成することはないだろう。茨城のサグラダ・ファミリアがいつ完成するのかわからないが、典型的なお役所仕事と無能な政治の失敗の金字塔として、自らの人生の恥としたい。

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