〇今年の大政局は、もう始まっている。
正月早々暑苦しいコメントで申し訳ございません。今日、小池都知事を先頭に、1都3県の知事が西村大臣と対談し、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発出を要請した。この産経の記事は、政府の官邸周辺のコメントを基に書かれたものであろうが、完全に(もしくはあえて)的を外している。
今のところ、コロナに対応するために知事たちが法的根拠のある措置をとるためには、新型インフル特措法第45条に基づく協力要請等を行うしかない。しかし、この知事の権限は内閣総理大臣が緊急事態宣言を発出した時にしか行使できない。そして、総理が緊急事態宣言を発出した時には、国会に報告しなければならない。
このような法律の建て付けは、地方自治体にとって極めて不合理だし、たいした法的拘束力もない措置しかできないから改正が必要だろうが、今現在国会は開かれていない。緊急事態を発出しようにも、報告すべき国会は1月18日まであと2週間以上開かれない。そもそも、コロナ対策と経済を両立させると言ってGoToキャンペーンにこだわってきた菅総理にとって、緊急事態宣言の発出は敗北宣言に等しい。
これから国会開会までの2週間の間に、首都圏などのPCR検査陽性者は重症患者の数はどうなるか、楽観視できる材料はあるまい。そもそも、国会議員が300万円以上の年末のボーナスをもらって、今休んでいる場合ではない。
こうした状況をにらんで、小池都知事は1月2日の三が日の今日、このような行動に出たのであろう。だから産経の見出しは「「責任転嫁」の都に不信感」なのだが、法的には内閣総理大臣に責任があることになっているのだから、菅総理が一方的に逃げ道がなくなるだけだ。
小池知事の今回の行動は、今後の国政の政局をにらんでのことだろう。一方、野党の議員の多くは、今日もお正月の地元での政治活動を呑気にFBなどにアップしている。党首たちの動きも、評論家のようなコメントを出す党首はいても、国会をダイナミックに動かしうるような言動をしている野党党首はいない。
こうした野党の体たらくや国会の機能不全に対する国民の不満は、今後菅政権に対してと同様野党に対してもさらに強く向かうことであろう。
いずれにしても、既存野党の存在とは別に、今年の大政局は確実に動き始めている。私も、爪を研いでおかなければならない。