○こういう、役人から聞きかじった生半可なことを、物事の本質を理解せず、気概もなく、ペラペラ話すだけの、無能で薄っぺらい政治家が、日本の停滞を招いている。
「海外アクティビストは経済安保における同社の重要性を理解していない」と言っているが、海外アクティビストであれ、国内の株主であれ、経済安保に価値を置いて株主になる者などいないだろう。それは政府の役割であって、株主と必ずしも立場が一致するわけがない。
【甘利氏は、重要技術を持つ東芝を経営危機から救ったのが「アクティビスト集団しかいなかったということ自身に問題がある」と指摘。短期的な利益を追求することしか考えていないとし、「日本の経済インテリジェンスにかかる東芝の重要性なんていうのは1ミリも理解していない」と語った】
TPPを強力に推進した甘利氏は、今度は国境を越えた資本の移動を規制したり、日本が資本主義から転換すべきとでも思っているのだろうか。怪しげな金を大臣室で受け取って睡眠障害になってから、判断力がおかしくなっていないか、心配してしまう。
政治家が行うべきことは、自由な資本市場を前提とした上で、安全保障上等の重要な技術を不適切な国に移転させないためにどのような行為規制をかけるかのルール設定や、それらの技術を開発・製造する体制、産業構造のありうべき姿を描くことだ。なんども繰り返すが、東芝のようなポンコツになった企業に存在する機微技術を守る方策は、東芝という会社自体を守ることとは別のもののはずだ。