福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

交差点で

○まだ初当選する前の10年以上昔、この交差点にノボリを持って立っていたらトラックが止まって、「お前、誰の許可取ってここに立っとるんや」とその筋の人のような強面の大男にすごまれた。角にあるお店の、社長だった。飲食店やホテルなどを複数店舗展開する大社長が、まさか自ら朝早くトラックを運転して食材を運んでいるとは、と驚いた。

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 その後、その社長の紹介でライオンズクラブに入り、ずっとお世話になってきた。強面での登場は、「若者が、チャラチャラ政治ごっこするんじゃない」という肝試しだったのだろう。実際には、若い人への面倒見がとても良い、エネルギッシュな方だった。

 東日本大震災の時は大きな被害を受け、私もグループ補助金制度の創設や地元への適用などでお手伝いをさせていただいたが、社長は自らの店の復旧に目途がつくと、自分の会社を置いてもう岩手県の津波の被災地にボランティアに飛んでいた。

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 そんなエネルギッシュな社長も、今回の1年半に及ぶコロナ禍では東日本大震災以上に大きなダメージを受けた。昨年末、このお店の事務室に立ち寄った時、夕刻の薄暗い光の中で、これまで見せたことのないような寂しそうな、そして年齢を感じさせる表情で、「福ちゃん、まだ大丈夫だよ」と気丈にふるまう姿が目に焼き付いている。

 社長は、この度一線を退き、若い後進に道を譲る決断をした。今朝、交差点に立っていると、会社を引っ張る若きリーダーがトラックを運転してお店に入ってきた。10数年前の社長の姿と被って見えて、自らのこの10数年の政治活動を振り返りながら、なぜか目頭が熱くなった。

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 木々は、古い葉が落ちたのちに必ず新しい葉が生えてくる。厳しい冬の次には、必ず春がやってくる。時代は、必ず回る。総選挙まで、もう少し。私も、頑張らねばならないと、決意を新たにした。