福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

「経済安全保障」の本質的な問題

〇今日の日本経済新聞に、私が2月2日に予算委会で岸田首相と議論したことと同趣旨の論評が出ていた。今はやりの「経済安全保障」の本質的な問題だ。

www.nikkei.com

【「経済安全保障」の錦の御旗の下で、政府が産業への介入を広げていく。これを逆側から見ると、戦略物資として認定されれば、企業は政府から補助を受けられることになる。案の定と言うべきか。我こそは戦略物資だと名乗りを上げる企業が出てきた。たとえば造船、農業、労働集約型の素材。国際競争力を失ったゾンビ企業から、政府の助けを期待するささやき声が聞こえてくる】

【新しい経済安保の体制では、強力な輸出規制も敷かれる・・・規制品目は、産業界の意見を聞きながら日本政府が決める格好になっている。だが本当の黒幕はワシントンにいる・・・冷戦下の1987年、東芝機械ココム違反事件の取材で、パリにある対共産圏輸出統制委員会(COCOM)の本部を訪ねたことがある。なんのことはない。そこにあるのは在仏米国大使館の建物だった。輸出企業がとる道は、ここでも2つに分かれる。実質的に米商務省が定める規制の線引きを見極め、是々非々で機敏に判断するか。あるいは政府の意向を忖度(そんたく)し、とりあえず自粛して様子をみるか・・・優等生を演じず、自ら情報を集め、自分の頭で考える。必要なら政府に物を言う。多くの日本企業が忘れた独立自尊の精神である】

 日本の伝統的大企業の経営者には、与えられた試験問題を解くのが得意で、偏差値の高い大学を出て、会社の中でそつなく仕事をしてきた人が多い。毎朝日本経済新聞を熟読し、大手町界隈をカラフルな色の丸いバッジを襟につけて闊歩し、夜は銀座で飲んでいるような輩だ。自分の頭で考えるだけの教養を持たず、空気を読まずに強い者にもハッキリものを申すことができないような人でも経営者になれる企業風土を、一掃しなければならない。