福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

現下の世界情勢を受けての外交問題について田中均元外務審議官に聞く

〇有志の会では、折に触れて斯界の有識者との意見交換を行っております。今日は、小泉政権時代拉致問題を巡る交渉でミスターXとして名を馳せた、田中均元外務審議官と現下の世界情勢を受けての外交問題について、お話を伺いました。

 冒頭、「今の日本外交は、アメリカ追随が無難なことになってしまっている。本来は、強いアメリカを活用して日本のアイデンティティを実現するのが日本の外交のあり方だ」と、日本外交の本質をお話しいただきました。

 戦後の外交史を振り返りながら、東西冷戦が終結した湾岸戦争などにおいて初めて国連を中心とする集団安全保障が機能するようになった。しかし、アフガン紛争や「テロとの戦い」においてすぐにそれははたらかなくなり、米国を中心とする有志国による安保体制になっていった。やがて、アメリカも「世界の警察官」を務めることができなくなり、今回のウクライナの侵略で核を持った国にはアメリカの抑止力ははたらかないことが明らかとなった。

 ウクライナ侵略の後は、ブロック化した同盟関係の世界になるだろう。それと共に、経済のグローバリゼーションの時代も終焉する。そうした中で、東アジアに位置する日本は、ロシアと中国が組んでブロック化しないための独自の外交が必要だ。

 というような趣旨のお話でした。私は、田中氏の書いている文章を読んで、今の日本で一番バランスの取れた俯瞰的な外交論を展開している方だと思っていたので、どの話も肯ける話ばかりでした。田中氏は、安倍政権以降、国内の勇ましい論調につられた非定型的な外交になっていることを憂いていて、「正統な外交」を取り戻す政治の必要性を訴えていました。このことは、私も先日林外務大臣と個人的に懇談した時、林大臣とも認識を共有したことです。

 これまで野党勢力は「外交音痴」と言われてきましたが、国際感覚が豊かなメンバーが揃った有志の会は、「正統な外交」を取り戻す政治勢力を目指してまいります。