〇今日はいよいよ本番の双十国慶節の式典。今年は(今の形での)「日台友好50周年」と台湾側は言ってくれている。しかしそれはそもそも、日本が中華民国(台湾)との国交を断って50年ということ。大きな失礼に対して、変わらず温かく友好関係を続けてくれる台湾に感謝の思いを伝えに何としても参加したかった。席の隣は、インドのクマール上院議員。日本から来た台湾華僑の方も、日本の国会議員団の参加を喜んでくれた。
今年は初めて日本の国会議員と台湾の国会議員が、両国の旗を振って並んでパレードをした。この光景に歯ぎしりをしている国もあるに違いない。国と国との関係は、法律で規定されたり、形ばかりの「友好」のスローガンで出来るものではなく、人間同士の信頼関係、友情関係でできるということを示せたのではないだろうか。私の台湾への友情は、死ぬまで変わることはない。
蔡英文総統の初めての就任式にも参列したが、あれから6年経って今日の総統の姿はリーダーとしての重みと落ち着きが増していた。演説では、「どの台湾人も、どの政党も、国の主権と我々の自由と民主的な生活を守らなければならない、というのが広い共通認識だ。この点において、我々は妥協の余地はない(我們没有妥協的空間)」、「(北京政府)は、台湾人の民主と自由の堅持に妥協はないという思いを見誤ってはならない」、「私は北京政府に、軍事的解決は我々の両岸の選択肢には絶対にないということを明言する」と力強く話すと、大きな拍手が沸き起こった。
そして、最後に「今日、「私は台湾人だ」と言えば、敬意を受け、誇りをもてることになった」とおっしゃった。台湾人自らの力で勝ち取った自由と、台湾人自らの努力で作り上げた民主政への自信がみなぎっていた。昨晩の経済界の重鎮の発言も、台湾の経済力への自信に満ちていた。「もうすぐ日本の一人当たりのGDPは台湾に抜かれるけど、大丈夫か?」と心配もされた。初めから自由は自明のことと甘え、まっとうな民主政治を作る上げる努力を怠ってきた私たちは、もっとしっかりしなければならない。