〇東日本大震災復興特別委員会で質疑に立ちました。45人の委員のうち、与野党を通じて茨城県選出議員は私だけ。政府が来春の実施を目指している福島第一原発のALPS処理水の海洋放出に向けた地元との調整について、茨城を代表する思いで政府と議論をいたしました。
まず、「常磐もの」というブランド名でわかるように、この周辺の海域は福島県も茨城県も一体となって水産業が営まれています。茨城県の平潟漁港と福島県の勿来漁港は岩一つで隔てられているだけです。にもかかわらず、福島県だけが対象となっていて茨城県が対象となっていない水産関係の補助金がいくつかあります。
通常国会の3月16日の委員会で被災地次世代漁業人材確保支援事業を取り上げて問い質したところ、令和5年度予算案では茨城県も対象となることになりました。しかし、漁漁経営体質強化機器設備導入支援事業や水産業共同利用施設復興促進整備事業などは、茨城県は対象となっていません。一つ一つ国会で取り上げなければ対象にしないというのは、あまりに不誠実な姿勢です。水産庁漁政部長の官僚答弁を叱り、秋葉復興大臣の政治的決断を求めたところ、前向きな答弁をいただきました。
ALPS処理水排出を担当している経済産業省は、令和3年度補正予算で300億円、令和4年度補正予算で400億円の風評被害などに対応するための基金を積んでいます。しかし、現実にはシーフードショーのような一過性のイベントを開催するだけで、具体的なビジネスにつながっていないという指摘が現場からありました。百貨店や流通業など経済界と結びつく経済産業省らしい、オールジャパンでの骨太な対策を求めたところ、かつて一緒に電力政策をやった片岡福島復興推進グループ長から具体的で前向きな答弁をいただきました。
地元で風評被害におののく現場の皆さんに納得していただくためには、官僚たちが通りいっぺんの説明をするだけでは何も動きません。大臣・副大臣・政務官といった政府にいる政治家が、逃げることなく現場とひざを交えて話すことが必要です。おりしも10月29日に西村経済産業大臣は日立市や大洗町に視察に来たにもかかわらず、原子力産業の現場だけを見て、漁業者には目もくれませんでした。「茨城を舐めるんじゃない」と一喝して、政治レベルでの対応を求めたところ、これまた経産省の先輩で大阪府知事も務めた太田房江経産副大臣から、必ず茨城県と話とするとの言質をいただきました。
質疑後、いろいろスキャンダルで追い込まれている秋葉復興大臣ですが、「一つ一つご指摘の通りなので、しっかり対応します」とお声掛けをいただきました。政治には人脈が重要です。かつて一緒にはたらいていた人たちが、政治や霞が関で要職を占めています。こうした人脈を生かしながら、少しは地元にお役に立てる質疑ができたと思うし、それなりの意味のある答弁を取れたと思うのですが、茨城新聞などで報道されるかはわかりませんので、この場で詳細にご報告いたします。
質疑の模様は、下記Youtube福島のぶゆきチャンネルからご覧ください。