福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

高速道路2115年まで有料化法案の反対討論に立ちました

〇国土交通委員会で「高速道路2115年まで有料化法案」の質疑に立ちました。私は、この法案についての態度を議事録として後世に残しておかなければならないという思いで、反対討論に立ちました。この原稿が、私の思いを表していますので、ぜひご一読いただけますと幸いです。

 審議の模様は、YouTube福島のぶゆきチャンネルからご覧になっていただければと思います。

 

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 有志の会の福島のぶゆきです。私は本法案と立憲民主党、国民民主党がそれぞれ提出した修正案に反対の立場から、以下にその考えを述べます。

 まず、この法案の最大の違和感は2115年まで有料化を続けることを法律で決めることにあります。2115年には、ここにいる全員がいません。おそらく皆さんの子どももいません。日本がどうなっているかもわかりません。官僚や学者であれば机上の計算によって債務の返済期限を定めようとするのでしょうが、日々国民と接し、国民の声を聞き続けている私たち政治家は、そうした観点から法律を作るのではありません。人間の体温や気持ちを法律に込めるからこそ、私たちは国権の最高機関である立法府の議席をお預かりしているのではないでしょうか?大臣以下国土交通省の政務三役の皆さんや、それを了解する与党の皆さんは、法案の中身以前に政治家としてこのような法案を違和感なく国会で審議することがいいのか、まずは考え直すべきではないでしょうか。

 次の問題点は、この法案が小泉政権の2005年に実現した道路公団の民営化を丸っきり骨抜きにするものであることです。私はあの道路公団の民営化のスキームに必ずしも賛成するものではありませんが、当時私は内閣官房にいて今は日本維新の会の参議院議員をされている猪瀬直樹さんなどが議論する熱気を目の当たりにしてきました。このスキームの最大のミソは、民間の経営判断を生かして、市場の統制によって無駄な道路は作らず、借金を一日も早く完済するというものです。料金プール制の限界も強調されていました。

 しかし、今回の法案では更新のために借りた金は、前回の改正よりはるかに長い50年もかけて返済され、更新ばかりか進化という名目で新たな高速道路の建設も可能とし、さらに返済期間の延長に合わせて既存の債務の返済期限まで伸び続ける仕組みとなっています。市場の統制を受けるためには、本来既存の債務と更新等に係る債務を厳密に区分し、既存債務は道路公団民営化法のスキーム通り返済を終了させ、その時点で一度高速道路を無償開放すべきなのです。これでは道路公団の失敗の二の舞となることでしょう。

 更新や技術革新に伴う新しい車の走り方に対応するための投資は、道路公団民営化のスキームではなく、そもそも高速道路は誰のもので、その負担をどうするのかという根本的な議論を整理した上で行うべきものです。電気自動車の普及が進む中、ガソリン税に頼る道路建設の仕組みはすぐにでも見直さなければなりません。こうした近い将来を見越した制度の見直しをすることこそ、本来の政治家の役割なのではないでしょうか。

 こうしたことを議論するには、この重要な法案の審議時間がわずか2日というのはあまりに短すぎます。国会議員が立法府の役割を自ら軽んじていると言っても過言ではないでしょう。2115年の日本国民が振り返った時、「なんでこんな法案を作ったのか」と恥ずかしい思いをしないため、反対の討論を行い議事録に残したいと思います。


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