〇「茶番の国会」などと言われることもありますが、ありがたいことに国会では世界の一流の人たちの話を聞く機会があり、志を同じくする与野党の国会議員たちで意見交換を行っています。
日米欧総合安全保障議員協議会では、駐日インド大使のシビ・ジョージ閣下をお招きしてインドの外交戦略についてご講演いただきました。インドはグローバルサウスの雄として、常に国際政治の対立構造の中で多極的な繋がりを持ち続けています。それは安っぽい「中立策」などではなく、インドならではの深い文明観と歴史認識に基づいています。大使からは、インドの外相が書いた『インド外交の流儀』という本をお薦めいただき、読み始めています。
シビ・ジョージ閣下ご自身もインド国内外の様々な大学や研究機関で学識を積み、外交の現場でキャリアを積み重ねたプロの外交官。単なる学力ではない、豊富な教養や経験を持ったエリートです。こうしたプロフェッショナルがいるからこそ、多極的な外交をすすめることができるのでしょう。
超党派での石橋湛山議連では、「石橋湛山オタク(自称)」として数々の石橋湛山の著作を英訳してきたダイク・リチャード氏から、石橋湛山の政治家としての根源にある哲学についてお話を伺いました。アメリカのプラグマティズム思想家のジョン・デューイの影響など、縦横無尽に語られました。「保守合同後に誕生した自由主義の石橋内閣が短期間で突然終焉せず、その後東条内閣の閣僚だった岸内閣が誕生していなかったら、今の日本はどうなっていたか」、そんな話も出ました。
これらの勉強を通じて、やはり今のような時代の政治家に必要なのは哲学の素養と教養であることを痛感します。こうした勉強会に集まる議員たちは、党派を超えて同じ思いを共有しております。既存の政党の枠組みを超えた新しい政治の地平を切り拓くために、行動してまいります。