福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

読売新聞主筆の渡邊恒雄さんが亡くなった

〇読売新聞主筆の渡邊恒雄さんが亡くなった。私が直接お目にかかったのは、1期生の時の一度だけ。お付きの方から本人に「ナベツネ」と言わないで下さいと言われたが、食事とお酒を飲みながら話していると、つい「ナベツネさん」と声掛けそうになったことしか覚えていない。

 橋本行革の時は、行政改革会議の中心的メンバーで、強力な大蔵省の応援団だった。「ナベツネさん」の反対を押し切って、どうやって大蔵省から金融部門を切りはなすかが、橋本行革の一つの大きな山場だった。当時ペーペーの私には、当然接点はない。

 2期目の2016年、予算委員会で当時の安倍首相と消費税の軽減税率について議論した。安倍首相が「ナベツネさん」と何度も会食をしていることをパネルで示しながら、なぜ新聞だけが軽減税率になるのか、と追及した国会質疑を見て、「ナベツネさん」は激怒したらしい。翌日の読売新聞の社説で、名指しで批判された。「ナベツネさん」自らが筆を取った、とさる筋から聞いた。

【民主党の福島伸享氏は衆院予算委員会で、「新聞だけが必需品ではない」と述べ、水道料金やNHKの受信料などを軽減対象としないことに疑問を呈した】

と始まり、

【疑問なのは、野党が、安倍首相とマスコミ関係者の会食が多いとして「一緒に飯を食べているから軽減税率をしていると思われても仕方ない」と追及したことだ・・・新聞社に手心を加えているとの勘ぐりは、全くの的外れである】

としている。

 この社説以降、国会議員が名指しで批判されている社説は、見たことがない。よっぽど芯を食っていたのだろう。私にとっては、「ナベツネさん」からいただいた勲章だ。

 いろいろな意味で、「ナベツネさん」は日本の戦後を象徴する人物だ。戦後日本人の奥底に知らずに内にはびこっている敗戦根性を乗り越えなければならない時代が来たのだろう。渡邊恒雄さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。