〇国土交通委員会において、船員法等改正法案の質疑に臨みました。議論の模様は、YouTubeからご覧ください。
冒頭まず、商船等を対象とするSTCW条約の締約国が約150ヶ国に対して、今回批准する予定の漁船を対象とするSTCW-F条約の締約国は36ヶ国だけ。欧州とアフリカが中心で、米国も中国も韓国もインドネシア以外の東南アジア諸国も締約国ではありません。そうした中で、なぜ今回締約国になるのか日本国政府としての戦略をお聞きしましたが、松本尚外務政務官からは当たり障りのない優等生答弁しか出てきませんでした。まさか、何もないってことはないですよね。
商船も遠洋漁船も、深刻な船員不足で、船員の多くを外国人に頼らざるを得ない状況にあります。日本人船員を増やしていくことは国策として最重要な課題ですが、合わせて円滑で適正な外国人の導入も行わなければなりません。今回の条約担保法によって、実際の運用がどうなるのかを問いましたが、「今後検討する」と答えるのみで具体的な答弁はできません。
『STCW-F条約国内法制化検討会とりまとめ』では、あちこちに「制度の運用に当たっては、労使合意を前提とした上でその詳細について官労使で検討を行うこととする」という表現が出てきます。「労使合意を前提」としなければ詳細の検討ができない。こんな政府の文書は、これまで見たことありません。しかも、検討会の議事録や議事概要も一切公開されておりません。政府の方針より労使交渉が優先され、その交渉も一切明らかにされない。このような不健全な異常な政策立案ではなく、まずは国策や政策目的に沿って政府がリーダーシップを取るべきことを訴え、その一部は附帯決議に反映されました。
しがらみのない無所属議員だからできる指摘を、これからも行ってまいります。