【提出者は今後、れいわ新選組と有志の会にも、法案への賛成を求めるとしています】
私たち有志の会にも、提出者にならないかとの打診が事前にあったが、会派内で積極的な意見はなく提出者には加わらなかった。
私はガソリン税の暫定税率の廃止には賛成であり、だいぶ前から積極的にこの議論を行ってきたが、単にこの暫定税率廃止法案を可決すれば暫定税率をなくせるわけではない。それに伴って生じるさまざまな問題を同時に処理しなければ、実務的に暫定税率は廃止できない。その理由の一部は、4月18日の投稿で記しているのでご参照いただきたい。
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【法律論的に言うと、単に「暫定税率を廃止する」という法案を出しても、施行日の7月1日から暫定税率はなくせるわけではない。税収が減る地方自治体への対応や、すでに成立している令和7年度予算への対応などは、この法案では別途政府が定める法律などに丸投げしているからだ。つまり、スローガンとしての「暫定税率廃止」を定めても、それに伴う実務的に必要な対応は政府が行わなければならないから、すぐに暫定税率など廃止はできないのだ。
実はこの経過措置の規定が、一番法律を作る時に難しかったりする。このような法律が成立してしまっては、行政は混乱するだけだ。それが分からないで法案を出しているなら、立憲民主党には政権担当能力はない。それがわかっていて法案を出しているなら、国民を欺くパフォーマンスだ。
本来、野党がまとまれば衆議院で法案は可決できるのだから、本気で可決するつもりなら可決しても行政が困らないような法案を提出する。昨年の衆院選の結果、そのような政治状況になったにもかかわらず、このようなはじめから可決することを前提としていない法案を提出するから、私は「野党しぐさ」と言っているのだ】
この法案の施行日は、令和7年7月1日。あと数週間後だ。一方、附則には「この法律の施行後直ちに・・・地方揮発油譲与税の額の減少が地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことがないよう、当該額の減少に伴う地方公共団体の減収の全額を補填するために必要な措置を講ずるものとする」としている。実務上、ここに書いてあることを「法律の施行後直ちに」実施することは、絶対にできない。あまりにも無責任な規定だ。
私たちは、暫定税率の廃止の是非の議論以前の問題として、可決することを前提としていない、可決すれば行政が大混乱して対応不可能な法案に賛成することはないと思う。現時点でこの法案が審議入りする見込みは立っていない。提出者に加わった政党は、この法案が審議すらされなければ、当然に内閣不信任案を提出するのだろう。それをしないなら、やはり「永遠の野党」と言わざるを得ない。