〇国土交通委員会で質疑に立ちました。テーマは、「骨太の方針2025」における鉄道政策の展開と、視察を受けた能登半島復旧。質疑の模様は、YouTubeからご覧ください。
これまで国土交通委員会で8回にわたって、鉄道政策が整備新幹線・リニア中央新幹線とローカル鉄道の再編に限定されていて、国のインフラ投資の計画などに在来線についての記載がないことを指摘してきました。そして2月26日の予算委員会では、在来線の高機能化としての中速新幹線の実現を石破首相の直接訴えました。
こうしたことを受けて、13日に閣議決定された「骨太の方針2025」では、新たに「鉄道ネットワークの在り方等の議論の深化、幹線鉄道の地域の実情に応じた高機能化」という言葉が加えられました。さらにこれまで、「基本計画路線【及び】幹線鉄道ネットワーク」という表現が「基本計画路線【を含む】幹線鉄道ネットワーク」という表現に変わっていました。微妙な言葉の違いのように思われると思いますが、霞ヶ関文学の世界ではこれまでの新幹線一辺倒の路線から政策転換をしたことを意味します。
昨日説明に来た若い官僚はこの文案の執筆者だとのことですが、私の2月26日の質疑と石破首相の答弁によってこのような文章にすることができた、と紅潮して語っていました。ところが、今日の委員会での中野国土交通大臣の答弁は、そのようなワクワク感のない見事な官僚答弁。思わず「昨日説明に来た官僚の方が政治家らしい答弁をしていた。いい答弁を官僚に作ってもらえ」と毒づいてしまいました。
次の能登半島地震によって起きた内灘町等での液状化への対応についても、地元自治体からの声を受けて、国土交通省による人的支援や財政支援を求めましたが、これまた何も前向きなことをいわない冷たい100%官僚答弁。やはり昨日のレクでは、大臣にもっと前向きなことを答弁してもらうラインで文言を調整をしていたのに、ゼロのところまで後退していました。一体何があったのでしょうか。
普通は、官僚が杓子定規の冷たい答弁書案を作るのに対して、答弁に立つ政治家が少しでも血の通った前に進むものにするよう手を入れます。国土交通省では、なぜか今逆です。先日まで茨城県の副知事だった小善政策統括官の方が、その場で気の利いた答弁をしていました。おそらく局長あたりが抑えているのでしょう。中野国土交通大臣は、国土交通省が誕生した1年目の入省。局長連中は、みんな役所の先輩です。大臣としてのリーダーシップを発揮できているのか、疑問とせざるを得ません。国土交通省が誕生してから民主党政権時以外はほとんどが公明党出身の大臣。そろそろ国土交通省のあり方そのものを見直さなければなりません。