福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

タンザニアへ

〇南半球にあって今は冬なので、30度を切る過ごしやすいタンザニアに着くと、空港の柱々に「歓迎来到」から始まる中国語の広告が続々。タンザニアは憲法上は社会主義国を標榜しており、伝統的に中国との関係が深いと言います。市場経済化を進める近年は中国以外の他の国とのバランスを取ろうとしているとも言いますが、中国は鉱物資源や天然ガスが豊かで、タンザン鉄道などを通じて鉱物資源の豊かな内陸国と繋がっているタンザニアは、戦略的に重要な国と見ているようです。ホテルから見える最大都市ダルエスサラームの港には、中国などから到着するコンテナ船が列をなしていました。

 本日のメインイベントは、アクソン国会議長との会談。タンザニアは明日が総選挙のスタートの日で、議長自ら選挙運動をしなければならないのですが、多忙な日程を縫って時間をいただきました。議長は、48歳で法曹界出身のチャーミングな政治家。「今日タンザニアの議長と日本の副議長か会談するのは歴史的なこと」とおっしゃり、国内できちんと人材育成をして、競争力を持った人材を送りたいなどとお話いただきました。今後も両国の議会メンバー同士で話す機会を設けようと確認しました。

 次に、キクウェテ首相府付国務大臣(労働・青年・雇用・障がい者担当)との面会。キクウェテ大臣も、まだ46歳。第4代大統領の息子で、将来のタンザニアのリーダーだと目されています。キクウェテ大臣も、明日からの選挙キャンペーンに向けた党内の会議の合間を縫って時間を割いて下さいました。大臣からは、建設関係の人材育成などにおけるJICAの支援への感謝が表明されました。私からは、地元のほしいも農家がタンザニアでほしいも工場を作って経済や雇用に貢献していることを紹介し、こうした事例を広げるべきだが、不透明な税制など投資環境の改善が必要と申し上げました。

 タンザニアは出生率が高く、現在約6,800万人の人口が2050年には1.3億人になると予測されている近未来の大国。過去10年以上にわたって平均6%のGDP成長を実現していて、人材育成に対するニーズが極めて高い国でもあります。JICAのプロジェクトとして、タンザニアの職業訓練公団(VEDA)の学生と教師8名が今年6月に山形県長井市を訪問し、長井工業高校で研修を受けました。そのVEDAを視察しましたが、戦前のドイツ製の機械を使っているなど決して教育環境は整っていません。それでも、長井市に派遣された学生が目を輝かせながら、「長井工業高校の生徒と一緒に勉強して協働の精神を学んだ」とか、「実習の中でも労働安全に配慮されていることに感銘を受けた」とか、「日本で経験してきたことを帰って来て他の学生にも話している」と語ってくれました。先生からも「先生と生徒との距離感や先生の熱意など生徒との関係構築について学んだ」と報告がありました。なにせ参加メンバー全員が、飛行機に乗るのも初めてだったと言うのです。

 TICADで注目された日本の地方都市との「ホームタウン」構想に関して、誤解に基づく反応がネット上では飛び交っているというニュースをこの地で目にしました。長井市を巡る”The Tanzania Times”誌の記事を巡るネット上の反応は、日本人の英語能力の無さに基づくものなので、純粋に自らのスキルアップを目指そうとしているタンザニアの要人や学生・教師たちには、そのようなことで騒がれていることはとても恥ずかしくて言えません。中国をはじめとする各国が鎬を削ってタンザニアとの戦略的な関係を構築しようとしてる中で、島国根性で内向きになっていると、やがてアフリカ諸国にも相手にされなくなるでしょう。ケニアでもタンザニアでもJICAの評価は極めて高く、政治家や外務省が外交を行う以上の価値のある日本の外交の宝でもある、と再認識いたしました。

 安倍政権時代の2013年のTICADを契機に、アフリカの若者を日本企業などにインターンとして受け入れる「ABEイニシアティブ」が始まりました。ダラエスサラーム市内で、夫婦でこのABEイニシアティブに参加した方が、自ら皮革製品をデザインして加工・販売しています。そのご夫婦のお店も訪ねました。日本の研修のおかげで、洗練されたデザインとしっかりとした製品を作ることができ、政府要人をはじめタンザニアの富裕層に売れているといいます。

 今や日本の経済力は低下し、先端産業での競争力も劣位となっています。でも、こうしたきめ細かく心のこもった人材育成は、日本にとっての大きな外交資源ではないかと実感をいたしました。東アフリカ訪問で得た知見を、今後の外交政策に生かし、具体的な行動をしてまいりたいと思います。

 次の目的地のキプロスに向けて、東アフリカに後ろ髪引かれる思いで明日からまた移動です。