
〇今週は台湾ウィーク。今日は地元の茨城台湾総会主催の国慶祝賀会が水戸で開催されました。一昨日台湾に向かう私たち国会議員団を羽田空港でお見送りいただいた、李逸洋大使も水戸にいらしてくださったので、いろいろな話をすることができました。水曜日には、その李大使が主催する東京での雙十國慶祝賀会。


今回台湾を訪れている間に、公明党が政権から離脱するという大きな政局の出来事がありました。ちょうど、風傳媒の王秋燕さんから取材を受けることになっていて、昨日早速記事になりました。台湾では親台湾と思われている高市総理を待ち望む声が強く、それを前提とした質問が用意されていましたが、私が「高市首相の誕生の可能性は五分五分ですよ」と言うと、目を白黒させてビックリしていました。昨日の記事は、台湾で誰よりも早い日本の政治状況の報告になったと思います。「誰が首相になろうと、どの党から首相が出ようと、日台関係は変わりませんよ」と答えました。

その公明党の連立からの離脱ですが、長きにわたる自公連立政権の中で、それが当たり前になりすぎて自民党の期数の若い議員にはその意味が分かっていない人が多いように感じます。企業・団体献金禁止が最大の議論となっていた政治改革特別委員会では、カネで動くような政治からは脱却したい公明党の議員は、本当は厳しい規制を導入したい思いを私たちと共有していたのですが、連立政権ゆえに思うようことを主張できないもどかしい思いを、いつも私には伝えていました。
私は、1999年に科学技術庁に出向した時に、当時政務次官だった斉藤鉄夫公明党代表にお仕えしています。その時の部下が、昨年の衆院選で惜敗した伊佐進一さん。山口那津男前代表は、中高大の先輩です。私の知る公明党の議員は、みんな高い識見や社会人としてのキャリアを持ちながら普通の感覚も持った立派な議員ばかりです。自民党の浮世離れした世襲議員や利権にまみれた地方議員出身の国会議員とは、もともと根本的に感覚が違います。自公政権は、そうした公明党の議員たちのストレスの上に成り立っていたのです。
一方、ここ数日私が話した自民党議員の中には、公明党が離れて逆に足かせがなくなってよかった、とおっしゃる方もいました。公明党支援者が小選挙区では自民党候補に投票し、その見返りに自民党支援者に比例票は公明党と書いてもらう自公連立は、小選挙区比例代表並立制の今の選挙制度に一番マッチした組み合わせでした。それがなくなれば、自民党も公明党も選挙の状況は根本的に変わります。自民党は、自力で勝ち上がることができて思う存分「保守的」な思想を訴えられる議員と、組織としての力を使わなければ議席を維持できない議員との二つのグループに分かれていくのではないでしょうか。あるいは、「保守的」なポジションを取る流行の政党に移る議員も出てくるでしょう。
野党側について言えば、自民党が単独で持つ議席は196議席。主要野党の立憲民主党・日本維新の会・国民民主党の議席を合わせれば、210議席。ここでこの3党が首班指名でまとまれないなら、政治の世界から退場したほうが良い。こうした場合は、野党第一党の立憲民主党がどれだけ他党に本気を示して、譲るべきことを譲れるか、自らが変われるかがポイントとなるでしょう。そして、それでも両勢力は過半数に達していませんから、少数政党・会派の支持を得るために両勢力は丁寧な議論をこれらと行っていかなければなりません。
こうした積み重ねの中から、新しい日本の政治文化を作っていかなければならないと考えます。当然私たち有志・改革の会も、重要なプレーヤーです。今回の公明党の政権離脱は、この間も進んでいたこうした多党化、多党連立政権の常態化の流れを決定的にすることになると思われます。そして、そうした政治体制に見合った選挙制度への抜本改革が迫られるものと考えます。私は、こうした政治体制の変革に備えてそれをリードするために、2021・24年の衆院選で無所属で国会に送っていただいたとも言えます。臨時国会が始まるまでの1週間。新しい日本の政治の扉を開けるよう、慎重に大胆に行動してまいります。
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敬愛するピン先生は同じことを考えていた。今、お話をしたかった。