〇今日の読売新聞1面肩の「日米同盟強化必要」というコラムは、意味不明だ。こんなレベルの低い文章を、1面で出すのが恥ずかしくないのか。もっとも政治部次長によるものだから、きっと何か大人の事情があるんだろう。

【トランプ大統領は法の支配を軽視し、保護主義的な関税政策で世界を振り回す。ベネズエラとイランへの攻撃は法的根拠がないとの見方も強いロシアのウクライナ侵略は出口が見えず、トランプ氏はロシアに肩入れする発言をしている】
と、このあたりの事実認識は、一般的なものだ。
【トランプ政権は勢力圏の発想に基づく大国主導の世界観を隠そうともしない。戦後国際秩序は崩壊の危機にひんし、弱肉強食の世界に近づいている。米国はもはや、民主主義陣営の旗頭としては頼れない現実が浮かび上がっている】
この指摘も、もっともだ。
それなのに、
【それでも日本にとって、日米同盟は外交・安全保障の基軸だ・・・日本は、力と威圧により現状変更を試みる中国と正面で向き合う・・・米国と価値観にずれが生じても、日米同盟に頼らざるを得ないのが現実である】
と小中学生並みの論理展開をするのは、まったく意味不明だ。5月の米中首脳会談がどのようなものになるかは未定だが、トランプ大統領の最近の中国に対する発言や、中国のイラン攻撃に対する米国への反応を見る限り、米中は対立するというよりはむしろ歩み寄るための間合いを図っているようにも見える。政治部で有力政治家の尻ばかり追いかけてきて国際感覚などないのだから、生半可なことは書かない方がよいのではないか。
【損得勘定を重視するトランプ政権との間で同盟を強固にするには、日本が防衛力を強化する不断の努力を続け、米国にとって不可欠なパートナーと認識させる必要がある】
つまり、こちらがへりくだってアメリカのご機嫌をとれ、とのご宣託だ。ホワイトハウスのホームページで全世界に向けて晒されていた、高市首相の訪米夕食会でのタコ踊りを思い起こさせる。これじゃあ、読売新聞ではなく国売新聞だ。
一方、いつもの弟自慢のようで申し訳ないが、下記の「トランプ氏、ネタニヤフ首相からの『一緒にイラン国民に政権打倒の呼びかけを』を拒否」という記事は、味わいがあって面白い。
トランプ大統領は、今回のイラン攻撃はイスラエルに騙されたと内心思って後悔しているのではないか。
共同通信が配信した、下記の「バンス氏『見通し楽観的すぎ』と不満表明、イスラエル首相『イラン体制転換可能』進言か」という記事も興味深い。
最近私は、トランプ政権内のバンス副大統領のポジションや今後の行方に注目している。ポスト・トランプ政権での一つの新しい流れを作る可能性もあるからだ。
いずれにしても、米国は今回のイスラエルと共同したイランへの攻撃によって自ら混乱に陥っていることは確かだろう。米国の威信は低下の極みにあり、パックス・アメリカーナは終わった。そんな米国に対して、「中国怖い」といって、タコ踊りをしてへりくだるような国にはしたくない。憲法改正も含めて、米国だけに頼らずに日本が生きていく道を本気になって探らなければならない時がやってきた。