福島のぶゆきアーカイブ

前衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

日本農業新聞(日農)

〇落選して経費削減をしなければならないので、事務所で契約する新聞を地元紙の茨城新聞と日本農業新聞(日農)の2紙に絞っている。今月の日農は、具体的な事実をもって日本の農業の危機を冷静に示している。これだから日農は止めるわけにはいかない。

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 6月16日の紙面では、東大農業経済学科の先輩の安藤光義東大教授の分析の紹介。

【中小農家が離農などで手放した農地について、大規模農家の受け入れ余力が急速に低下していることが東京大学の安藤光義教授の分析で分かった。20㌶以上の経営体が、20㌶未満の経営体の農地を受け入れた割合は2025年までの5年間で20%、15年前の4分の1に減った。農家が減る中、既存農家の規模拡大だけで農地を維持することが困難で、農家数の維持・増加が欠かせない実態が浮き彫りになった】

 6月14日の紙面では、農地を相続した人が他に賃貸や売却ができずに、負担金を支払って国に引き取ってもらう面積が1年前より7割超増えたとの記事。

【土地への人口流出や高齢化などを背景に、農地の賃貸や売却ができず「負担金」を払ってでも手放したい人が増加。各地の法務局には相談が相次ぎ、引き取り後の活用が課題となっている】

 6月9日の紙面では、農水省の集落営農実態調査の結果、集落営農法人が初めて減少したという記事。

【集落営農は、集落の農家がまとまって農作業や経営を担う組織・・・農水省は法人化を促してきた。法人の減少は調査が始まった2005年以来初めて・・・設立から10~20年が経ったことで、設立時の中心メンバーが高齢化し、担い手を確保できず継承を断念した事例が多いと見ている】

 これらの統計などが示す事実は、私が地元を回っていて数年前から見聞きしていることを裏付けている。2022年2月16日の予算委員会分科会では、私は金子原二郎農相(当時)に対して「私が一番危機感を持っているのは・・・これまで日本の農業を中核的に支えている普通作、水田農業の一番の中核の農家が倒れてその後がいないというのはこれまでにない危機感だと思っておりますので、是非、これまで論じられてきた農政の危機とはまた一段違った危機なんだということを御認識いただければと思います」と訴えているが、大臣も当時の農水省の認識も甘いものだった。

 ここ2年間米価が上がって農家は儲かっているとか、大規模化が遅れるなどとしたり顔に言っている自称「専門家」が多いが、もう10年以上前から大規模化は一段落ついており、今はその大規模農家が営農を継続できなくなったり、中山間地域などで集落で経営を集落して法人化してきた組織が崩壊し始めている。元気な大規模農家にもそれ以上の農地を集める余力はなく、多くの農地が野に還ったり、相続した農地が手放されている。

 数年前子牛の値段が上がった時、繁殖農家が子牛を売ったお金を退職金代わりに廃業する農家が相次いだが、私の周りでは今年の米価下落が予想される中で昨年までの米価高を退職金がわりに離農を検討している農家がいくつかある。

 昨年の米価高の時には、したり顔で「日本の農業は生産性が低い」とか「大規模化が進んでいない」とか「改革派」めいたことを言う自称専門家がメディアを賑わわせていたが、まったく現場のことを分かってもいなければ、理論的にも間違えている。これらの有識者に、中途半端な二流・三流経済学者はいても農業経済学の専門家は少ない。しかし、この20年くらいは、こうした自称専門家の影響を受けた、間違えた農政「改革」を自民党政権では行ってきた。

 現場の皮膚感、それを裏付ける統計などのデータ、農業の特性を踏まえた農業経済学の理論に基づく政策があり、それに基づいて政治が的確な判断をすれば、このようなことにはならなかった。もう手遅れになるところかもしれないが、まっとうな農政に戻るためにはそろそろタイムリミットが迫っている。こうした事態に、未だにJAグループが熱心に自民党を支援していることが不思議だ。