〇高市首相を批判する動画を上げると、「政策を語れ」とか「批判ばっかり」というコメントが沸いてきます。安倍政権の頃も、そうでしたね。今日は政策について。今週の火曜日に閣議決定された「骨太の方針2026」について語っています。政策動画は政局動画に比べると見ていただく数が少ないものです。ちょっと難しい話かもしれませんが、ぜひこちらもご覧ください。
「骨太の方針2026」の「我が国の潜在成長率は、長年にわたる「未来への投資不足」により、主要先進国と比べて低迷」という問題意識は、その通りだと思います。しかし、その先がいけない。「主要先進国では、官民が連携して大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策が大きな潮流」としていますが、そのような潮流があるとしてもそれが起こる前から日本は「未来への投資不足」だったのですから、根本原因は日本の金融システムだったり、投資を促さない税制だったり、企業経営者のマインドが変わらない市場ルールだったり、不透明な政府の規制リスクなどなどの構造的なものにあるはずです。
にもかかわらず、「経済財政運営の在り方そのものに関するコペルニクス的転換であり、我が国も、こうした時代の変化を踏まえた国家運営が求められている」として、300ページ以上の電話帳のような「官民投資ロードマップ」を作って、17の戦略分野の62もの製品・技術等に、2040年までに370兆円もの官民協調投資をするというのは、別の意味であまりにもコペルニクス的転換すぎます。お役所が作った電話帳に従って、お役所と一緒になって民間も投資するような国は、まさに巨大社会主義的計画経済。お役所が予測できる範囲で商売をする企業が、世界で勝ち抜けるとはとても思えません。
この「骨太の方針」は、放漫財政を生むとしてマーケットの評価は芳しくなく、現案策定の段階から円安と長期金利高を生んで、按分を修正せざるをえませんでした。私は、シーリングを設けなかったり、複数年度予算にする財政制度の変革はいいと評価します。でも、そうして得た財政の対象が社会主義的計画経済なのであれば、マーケットは評価するはずがありません。「責任ある積極財政」がダメなのではなく、積極財政の下やろうとしていることがダメなのです。結局は金目という、副首都法案と同じ品のなさを感じざるをえません。
私は、この「骨太の方針2026」は、巨艦大砲主義から世界の戦術が転換しているにもかかわらず、巨額の予算で戦艦大和を建造して敗戦間近に特攻していった戦艦大和の最期を思い起こします。途上国に転落する寸前の、最後の打ち上げ花火にならないことを祈ります。