〇梅雨入りの日の、地域周り。
5時を過ぎてもまだ明るい、夕方にお伺いしたお宅。二人のお子さんを持つシングルマザーの方が、堰を切ったように思いを訴えてきた。高校生の長女は、中山間地の地元から水戸の私立高校まで毎日鉄道で通学している。駅まで送り迎えをして、さらに交通費だけで月に2万円。
娘が高校生になって児童手当は対象外となったから、家計は苦しい。昼は介護の仕事で働いているが、それだけでは家計を賄えず、夜は運転代行の運転手をやっている。運転代行の控所で仮眠をしながら、朝5時まで。時々、「自殺して楽になりたい」とも思ってしまうと、乾いた作り笑いを浮かべながら話す。
「なんで日本はこんなに生きにくい国になっちゃったの」、「国会議員は、一体何をやっているの?」と。申し訳ない思いでいっぱいに。国会は、会期末のプロレスにもならない茶番劇をやっている場合ではない。本当に政治の力を必要としている人には、とっくに見透かされている。
帰りの車のハンドルを握る手は、何とも言えない感情でじっとりと湿っていた。