福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議案について

〇今日の本会議で採決される「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議案」に、有志の会は会派として賛成いたしますが、私は会派とは別に反対することにいたしました。

 臨時国会でもこの決議案の採決に向けた調整がなされ、私や有志の会の国会対策担当として自民党の石川昭政議員とやり取りを進めてまいりました。昨年時は内容面では全く不十分だけど、日本政府のオリンピック対応の決定前に立法府としての意思を示さなければならないということで、無条件で「賛成」の判断をいたしました。他党も同様でしたが、肝心の自民党だけ茂木幹事長の「内容はいいが、タイミングだ」という判断で、採決されませんでした。

 この国会に入って、再び同じ文言で採決したいと自民党が言ってまいりました。あれから2ヶ月も立っているのであれば、中国を名指しせず、香港やウイグルで起きている深刻な人権侵害を「人権状況」などと冷たく突き放す文言は修正するよう与党内で調整すべきです。しかも、決議の日本語自体下手糞な悪文で、外国語に翻訳するのも困難です。

 それに加えて、なぜ昨年末ではタイミングが悪くて今ならいいのか、まったくその理由は明らかではありません。もう既にあれだけ報道された昨年末の採決が流れたことで、中国は「日本の国会の決議は本気じゃない」と見切っていることでしょう。オリンピック前のこのタイミングに政府に「包括的な施策の実施」を求める決議を国会が出しながら、政府は北京オリンピックへの対応を何ら変えず、連日日本のテレビでオリンピック中継が流れて盛り上がれば、国会の権威は国際的にも著しく堕ちてしまうことでしょう。

 同僚議員からは「これは歌舞伎なんだから大人の対応をしよう」と言われ、自民党と協議にあたった者としてそうしようかとも思いました。しかし、私の友人には、ウイグルから茨大に留学してきて家族と音信不通となり、中国に戻ることもできずやむを得ず日本国籍を取得した友人がいます。先日も書いたように、命がけで民主社会を守るために行動した多くの香港の若者たちに、浪人中何もできなかった忸怩たる思いもあります。中国で命を懸けて自由を求めて戦い、実際に多くの方々が命を落としている中で、国会の生ぬるい空気の中で「大人の対応」をするつもりには、なれませんでした。

 国内の中国に勇ましいことを言うことを求める特定の層に応えるための、内向きの決議では意味がありません。普段は「人権が大事」と言いながら、他国の国民の人権侵害を深刻に受け止めず、大した議論も行動もせず国会対策の観点から賛成する野党も情けないと思います。何よりも、この決議の採決に至るやり取りは、やはり日本の国会の劣化と機能不全を明らかにしています。ごく少数でも「反対」の声を挙げることが、日本の民主政治を守り、国会の機能を取り戻す一歩になることを信じて、今回の対応をとることを皆さんに報告いたします。

f:id:fukushima-nobuyuki:20220201113459j:plain

f:id:fukushima-nobuyuki:20220201113511j:plain

 

**********

 

同じ有志の会の盟友、緒方林太郎議員は、下記のような立派な理由で、賛成せずに棄権しました。