福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

県内トップが一堂に会して新春を祝う賀詞交歓会とは

〇昨日開催された「千鳥会」。「なぜお前は参加していないのか」という問い合わせを何件かいただいたので、その理由を説明いたします。なお、「千鳥会」とは、「県内トップが一堂に会して新春を祝う賀詞交歓会」(茨城新聞)のことで、茨城新聞社が中心となって行う茨城県独特の大イベントです。

 今回私は案内をいただきましたが、「欠席」で返事を出しました。前回落選した後、ご案内をいただけなかったので出席しようとして茨城新聞に問い合わせたところ、「現職以外は出席禁止」とのことでした(今年は現職以外で出席していた方もいるようですし、私が初当選前は毎年出席していました)。そのような勿体ないイベントは、無所属のしがない衆議院議員には似合わないと思い、今回欠席といたしました。(もちろん皮肉です)

 そもそも、新聞社が主催するこのような政治色の強いイベントには、かねてから大きな疑問を持ってきました。茨城新聞が言う「県内トップ」とは何を持ってトップと言うのかはわかりませんがきわめて恣意性が高いもので、ここに呼ばれるかどうかが権威の徴になるようなイベントを新聞社が行うことはおかしいのではないかと思います。当日のしつらえも特定の党派、もっと直截に言えば権力を持っている勢力に偏りがちです。

 茨城新聞は、前日には出席予定者のリストを1面全部を使って報道し、当日には開催記事を掲載し、翌日には2面全部を使ってその模様を伝えます。一体、一般の県民はこのようなイベントにどれだけ関心を持っているのでしょうか。3年前の1月4日に私の母が亡くなり、死亡広告を出してもらおうと思って茨城新聞に連絡したところ、社員は千鳥会の準備で出払っているとのことですぐに対応してもらえませんでした。報道機関としての根幹が、そもそも間違えているのではないかと感じます。

 私は、こうした内向きの権威ぶったイベントを何年も地元紙が開催していることこそが、茨城県の発展の阻害の象徴になっていると考えます。改革を唱える現知事には、ぜひとも出席の是非を考えてほしいものです。

 自民党王国の茨城で政治活動をしていて苦しい時、私は『東陲民権史』を紐解きます。茨城新聞を創刊した関戸覚蔵が著した、明治期に藩閥政府に抵抗する加波山事件を中心とする、茨城における壮絶な自由民権運動を生々しく記録したものです。

【世風日に頽敗し、時俗日に月に堕落す。社会滔々溷濁の渦中に沈没し、道徳地を拂い、名跡跡を絶ち、萬事萬物總て是虚なり。虚名、虚業、虚飾、虚実、虚言、虚勢の類悉く然らざるはなし。而して偶ま熱心経営日も亦足らざるの実を見るもの、単に金を攫み利を網するの一端に過ぎず。・・・上下官民斉しく相擠して腐敗の谷底に陥落し去り、猶ほ且つ自ら覚らず、得々然として二十世紀の乾坤に馳聘しつゝあり。嗚呼死者にして霊あらば、先きの自由志士は、此の如き憲政を樹立せんが為め、生命財産を一擲せしを悔ゆるならん。当世の君子其れ少しく之を思へ】

 茨城新聞を創刊した関戸覚蔵の思いを少しでも引き継ごうとするなら、今なお「茨城新聞社」という名前を冠していることを恥じるべきであろう。