福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

農林水産省設置法の改正

 農林水産省設置法の改正案が今国会に提出されるとの説明が、農林水産省政策会議で行われました。改正案の主な内容は、
①地方事務所を再編(統合)して地域センターを設置
②本省に農林水産行政監察・評価本部を設置
③農林水産技術会議の廃止
等というものです。

 汚染米の問題やヤミ専従の問題が明らかになり、農水省の内部改革案が省内で議論され、それが今回の組織改定案になっているという意欲や理念には私は賛同します。しかし、私は政策会議の場で、以下の理由により問題があるのではないか、ということを指摘させていただきました。

【①従来どおりのお役所の論理で組織改変がなされていること】
 役所の組織には官僚のポストがついてきます。これまでの自民党政権下の官僚の論理では、組織のスクラップ・アンド・ビルドということが言われてきました。農林水産行政監察・評価本部におそらく局長級の官僚を貼り付けるのでしょう。その代償措置として局長級の事務局長を擁する農林水産技術会議を廃止するというのが今回の改正案です。民主党はマニフェストで「官僚丸投げの政治から、政治主導の政治へ」「事務次官・局長などの幹部人事は政治主導の下で」ということをお約束しております。ましてや行政監察・評価という外部の目がもっとも必要な組織改革を行うのです。そうした意味では、単に局のスクラップ・アンド・ビルドなどというこれまでどおりのお役所の論理ではない、斬新な組織改革をまさに政治主導で行うべきであると考えます。

【②農林水産技術政策のあり方についての理念がないこと】
 廃止される農林水産技術会議は、農林水産関係の技術政策について、専門家の合議によって立案していくという組織形態になっております。これが果たして組織ができた当初の理念どおりに働いているものなのかということは、しっかりとした検証が必要でしょう。農林水産技術会議のあり方については、かつて私が関わっていた橋本内閣の省庁再編でも議論がありました。私は、技術政策のような専門的知見が必要な分野については、官僚が事務的に予算要求をするのではなく、専門化同士の議論を行い、専門家によるレビューを行っていくことが必要であると考えます。他省の分野を見ても、政府全体の中には総合科学技術会議というものがあり、そのほかにはたとえば原子力開発であれば原子力委員会、宇宙開発であれば宇宙開発委員会というように、形式上は専門家による議論、レビューができる体制となっております。それが実際に機能しているのかについては、私には大いに議論がありますが、いずれにしても農林水産技術会議のあり方について、政策論のないまま単にスクラップ・アンド・ビルドの官僚の論理で組織いじりをすることには反対です。

 役所の組織に関する法律というと、専門的で報道で取り上げられることはほとんどありませんが、私は今国会で徹底的に議論をしてまいる所存です。