福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

社会保障と税の一体改革の大詰め

 来週21日の国会会期末を控え、社会保障と税の一体改革の与野党協議が大詰めを迎えてきました。私の消費増税に関する立場は、3月15日のブログで書いたとおりです。総理が政治生命を賭けてやり遂げると言っている以上は、消極的、慎重な立場であっても、与党議員の一人としてそれに協力することは吝かではないのですが、2年後の増税に関する法案を今国会で何が何でも成立させるという野田総理の狂おしいばかりの決意は、なぜそうなのか私には理解できません。

 与野党協議の中で自民党が主張していることは大きなところでは、
a.後期高齢者医療制度の廃止や最低保障年金制度の導入などのマニフェストの撤回
b.衆議院解散総選挙の確約
ですから、この与野党協議は、社会保障制度をどうするかとか、税の負担をどのようにお願いするかという政策的な協議ではなく、政局的な協議です。自民党の狙いは、民主党の分断と早期の解散総選挙ですから、なぜそのような協議に期限を区切って自らを追い込んで応じているのか、理解に苦しみます。

 細かい点についてもさまざまな要求を自民党は出してきております。たとえば、党内での侃々諤々の議論末盛り込まれた景気目標条項や歳入庁の設置、低所得者のための給付付き税額控除などは、財務省にとっては邪魔な条文でも、国民のためには必要な条文です。こうしたものを削除するよう自民党は要求しております。さらに今回増税する5%のうち、社会保障制度の充実のためには1%分が充てられることとなっておりますが、その使途である低所得者の方への年金の加算(6,000億円)、総合こども園の設立(7,000億円)についても削除するよう要求しております。つまり、予算の使途を決めるような条文を削除して、使途の決まっていない増税分だけを確保する。誰の差し金でやっているのかは容易に想像がつきます。使途を決めない税収を得て権限を拡大したい財務省と、社会保障よりも「国土強靭化」名目の10年で20兆円の公共事業費の確保をしたい自民党の合作としか言いようがありません。

 私は、かつて官僚時代、法律案の条文を法制局に通って起草し、国会に提出後は質問の原稿も答弁の原稿も書く、という「劇団ひとり」とも言うべき政と官のありさまを見て、政治刷新の必要性を実感し、政治の世界に飛び込みました。今まさに、消費増税財務省が企画し、政府案を財務省が作り、野党の対案も財務省が作り、財務省の描いたスケジュールで総理が決着をさせようとしております。しかも、そのテーマは日本経済や国民生活に大きな影響を及ぼす増税社会保障制度の見直しです。こうした政党政治、民主主義の危機的な状況に対して、マスメディアは本質を見失った報道ばかりしております。このどうしようもない政治をどうするか、しばらく悶々と考えてみたいと思います。

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