福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

消費税増税をめぐって野田総理と激論

 今年も大晦日がやってきてしまいました。そんな年の瀬に、民主党内では消費税増税をめぐって激論が交わされていました。私は間近に迫る選挙に向けて地元にご挨拶回りにお伺いすることにしておりましたが、事態が切迫しているということで連日上京し、特に今週は連日7,8時間にわたる大激論を交わしてまいりました。

 私の消費税増税に関する立場は、「いずれ消費税増税は国民にお願いしなければならない。その際には持続可能な年金制度、医療保険制度等社会保障制度の抜本改革案を示したうえで、適切な経済環境の時を見計らって、国民に信を問うた上で実施するべき」というものです。こうした立場に照らしてみて私は、今回の消費税増税案は、自民党時代に決定した基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1へ引き上げたことに対する財源手当てなどが中心であり、社会保障制度の抜本改革の財源とはなっていないこと(さらなる増税が必要)、そして何よりもこれまでの民主党政権運営の結果に照らして国民の信頼を得られる環境にないことから、慎重な立場に立ってまいりました。しかし、とりわけ基礎年金に対する国の負担を上げながらその担保となる増税を行ってこなかった自民党時代のツケを先延ばしにするのはそろそろ限界にきているということも事実であり、この点も冷静に考えなければなりません。

 一昨日はインドから朝に帰国したばかりの野田総理民主党税制調査会に乗り込んできて、最終的な取りまとめに向けた議論が日付が変わるころまで繰り広げられました。私もこうした認識を踏まえて、何度も野田総理と激論を交わしました。私が主張した点は下記のことです。
1.何よりも諸費税増税をするためには国民の信任が必要である。八ツ場ダムの中止撤回を象徴として、民主党はミニフェストで約束したことを何一つやらない「嘘つき集団」とみなされている。これまでの政権運営の体たらくでは、国民の理解は到底得られない。
2.たとえ党として決められたとしても、国会を通らなければ意味がない。衆参ねじれの状況で、公務員給与の引き下げ法案や国会議員の定数削減法案すら通せない中で、消費税増税法案が通る見込みはない。
3.こうした苦境の中で、消費税増税を押し通すのであれば、党内が一丸になることが大前提である。しかし、10人以上の離党者が出てきて、それに対する執行部の対応が冷淡な中で、党がまとまれるような状況ではない。強行をすれば、党が割れることは必至である。
4.以上のことから、総理は解散で民意を問う決意を持って対応すべきである。

 私は、総理が解散して民主党政権の存続を賭けて民意を問う覚悟を持って消費税増税に立ち向かうのであれば、土壇場で総理を支える立場になろうと心に決めていました。しかし、野田総理から返ってくるのは、「私の役割は、一人でも多くの皆さんを次の選挙で勝たせること」という根拠のない精神論と、政策論では財務省そのものの官僚答弁の羅列でしたので、野田総理の下では消費税増税の実現は無理であると判断し、反対論に立つことを決めました。

 途中山田正彦前農相が「これ以上議論しても意味がない」と退席するなど険悪な雰囲気となり、決裂寸前となりました。私も退席しようかと迷いましたが、総理が出席しての歴史的議論をもう少し続けてみようと思い、踏みとどまりました。私の2.のような議論も踏まえて、川内博史議員らが野党との協議成立が条件であると提案を行い、「与野党協議を踏まえ、法案化を行う」との文言が追加されました。さらに、私自ら、「議院定数削減、公務員人件費削減を「実現した後」でなければ、消費税増税を国民にお願いする資格はない」と発言し、増税容認派の立場からも、元経産省の同僚で共に橋本内閣の行政改革に携わった後藤祐一議員がこれを支持する発言をしてくれて、議論を一時中断して文言を調整することとなりました。当初の原案では「衆議院議員定数を80削減する法案等を早期に国会に提出し、成立を図る」という一節があり、一読するともっとものようですが、先ほどの2.の論点でもあったとおり、ねじれ国会の下では民主党が「成立を図」ったとしても、成立の見込みはあまりまりません。この文言では、国会議員や公務員が身を切るという本気が示されていないのです。後藤議員が文言の最終調整に頑張ってくれて、取りまとめ文の冒頭に「私たち政治家が、議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施した上で、税制抜本改革による消費税引き上げを実施すべき」という文言が追加され、この趣旨を閣議決定するとの約束がなされ、最後ギリギリのところでとりまとめが実現しました。

 私は、
1.与野党協議を踏まえて法案化
2.議員定数削減、公務員総人件費削減の実施後の税制抜本改革
の二つの要件は極めて重いものと考えます。さっそく増税推進派の執行部からは、この二つは増税の前提ではない旨の発言はなされていますが、これは財務省の振り付けによるものでしょう。これらの条件が無視されるのであれば、私は信念を貫いてしかるべく行動をとる決意です。

 3.11の東日本大震災に見舞われた平成23年は大きく歴史に刻まれる年となりました。来年以降の世界の状況を予測すれば、後世に歴史の転換点と記される年となるかもしれません。これまでご紹介してきた民主党税調の議論を見てみても、来年は必ずや大きな政治の変革が訪れる年ともなるでしょう。そんなときに政治家であることは、政治家冥利に尽きます。来年来るであろう歴史的転換点に、しっかりとした理念と信念を持って行動できるよう年末年始は英気を養ってまいります。よいお年をお迎えください。       

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