福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

典型的な政策の失敗のパターン

〇典型的な政策の失敗のパターンだ。仕事ができない原因を組織のせいにして、消費者庁、デジタル庁、こども家庭庁などを内閣府に作ってきたが、これによって行政が大きく変わることはない。諸外国に組織があるからといって、日本版〇〇を作ろうとしても、同じようなものは絶対にできない。

www.yomiuri.co.jp

 問題の根幹は、法学部卒の事務官を中心とする日本の官僚組織に専門性はなく、明治以来の事務官・技官の採用の下での年功序列型人事のにおいては公務員に科学的な専門性は蓄積されず、官僚組織を動かすべき政治に知的なものを活用する意識や能力がほとんどないことにある。日本政府の政策決定に、科学的知見はあまり重要視されていない。

 縦割り行政の打破を目的として新しい組織を作っても、その新しい組織が独自の人事を行い、予算を獲得し、政策を立案していくと、別の府省と新たな権限争議が起きるだけで、縦割りの除去にはつながらない。政治家から構成される内閣における総合調整を行う機能なくして、いくら行政組織をいじっても永遠に縦割り行政はなくならない。問題は、内閣の総合調整機能の不全にあるのだ。それは政治の能力の問題だ。

 パンデミックなど頻繁に起こるものではないから、こうした組織を作ってもやがて陳腐化していき、いざという時に役に立たないのは、JCO事故の後の東日本大震災で私はいやというほど実感している。

 かつては、こんなお粗末な政策をどや顔でマスコミにリークすることは、お恥ずかしくてできなかった。マスコミも、評論もなく特ダネとして掲載することはなかった。それだけ、霞が関と与党の政策立案能力が落ちているのだろう。日本の国力の衰退は、この国の政策立案能力の著しい劣化と、その意識すらない政治にあるのだ。