福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

今日で今年の通常国会は閉会となったが……

〇今日で今年の通常国会は閉会。この「こども家庭庁」を見ても、何年間この国は同じような意味のないことを繰り返すのだろう、と暗澹たる気持ちになる。

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【新組織が縦割り行政の弊害を解消できるかは定かでなく、予算確保の行方も不透明なままだ】

 「こども家庭庁」は、厚生労働省にある保育などのこども関係の所掌事務を内閣府に移しただけ。文部科学省の教育関係などの所掌はほとんど移管されていない。厚生労働省と文部科学省に跨ってやっていたことによる縦割り行政の弊害が、内閣府と文部科学省の間で起きるだけだ。

 内閣府にあるから「内閣総理大臣直轄で格上げされた」と報道している記事もあるが、完全な間違いだ。内閣官房は内閣総理大臣直轄で一段高い立場からの総合調整を行うが、内閣府は各省と横並びだ。内閣法に基づく勧告権などは、これまで一度も行使されたことはない。「こども家庭庁」などという名前で、何か新しいものができると思ってはいけない。

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 今日は、内閣感染症危機管理庁の設置も報道されている。「日本版CDC」だそうだ。だいたい日本版〇〇という政策に、これまで成功したものはない。政策の中身がない時に、正当性をアピールするために欧米の先行事例の名を騙るのだ。危機管理は現場対応できる組織があるかないかが一番のカギだ。現場対応は、厚生労働省にしかできない。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合するとのことだが、その程度の組織統合で現場対応力が強まるとは思えない。

 問題は、総合調整すべき内閣官房が感染症対応において十分に機能しなかったことだ。それは、庁を置くかどうかという組織の問題ではない。さまざまな科学的な知見を比較検討し、それを基に予算や法令といった政策に落とし込む科学的な政策決定ができない、日本の官僚組織そのものの問題と、そうしたことに価値を置かない日本の政治そのものの問題だ。

 秋の臨時国会では、どのような政治状況になっているのか現時点では見通せないが、有志の会のメンバーはこのような見せかけのまやかしの政策でこの国が時間を浪費しないよう、引き続き本質的な議論をしてまいりたい。