福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

インボイス(適格請求書)制度が始まってしまった

〇いよいよ昨日からインボイス(適格請求書)制度が始まってしまった。消費税は、名称とは異なり、実際に納税を負担するのは売上げを出した事業者。お金を支払って買った者ではない。

 これまで課税売上高1,000万円以下の事業者は消費税が免税となっていたが、インボイス(適格請求書)を発行する事業者として登録すると、消費税が売上げに対して課税される。登録しないと、取引先から外される可能性がある。

 当初3年間は、経過措置として本来納めるべき消費税額の2割の額を納めればよい。個人事業者で、カツカツの生活を送れるのは売上げ500万円程度であろう。この方は、当初3年間は5万円程度消費税を納税することになる。まあ、きついことはきついが受忍の範囲内だろう。

 しかし、3年後には消費税の納税額は一挙に20万円以上。そう。10%の消費税というのは、個人事業者などの零細事業者にとっては、1ヶ月の手取りに相当する額なのだ。所得税や市県民税、自動車税などを収めた後に1ヶ月分の手取り額を納めることは、とてつもなく苦しい。私は、浪人中に自分の会社が課税事業者になって、消費税を支払えずに消費者ローンからお金を借りた経験がある。消費税10%の重みというのを身に沁みている。おそらく3年後は阿鼻叫喚の世界になるだろう。

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 野田元総理は、ここでさも正義のように消費税増税の決断について語っているが、私は、元総理も党内で議論していた民主党の政治家たち(増税賛成論に立つ官僚出身の議員など)も、果たしてこうした生身の税負担の重さを分かってやっていたのか、疑問だ。

【「人口減や高齢化が進む日本の社会保障制度を支えるのが、消費税です。その基本的な考え方は、いまも間違っていないと信じています」・・・「消費税で入ってくる分が増えても、なかなか自分たちの暮らしの中の社会保障と直結しません。たとえば年金の財源で国が負担する割合を高めてもいますが、受益と負担の相関関係がわかりにくく、実感がわきにくいのは事実です」】

 消費税は法律上、社会保障目的税にはなっていない。これまで消費税収が増えれば、それに連れて一般会計の歳出自体も増えて財政が膨張するのが常だ。財務省の言う「社会保障のために使う」などということは、法律で規定しなければ担保されず、結局消費税増税は財務省のポケットを増やすことにしかなってこなかったのだ。こうしたことは、私もさんざん当時の与党内で主張し、修正条文案まで策定して当時の野田首相にも直接訴えたが、それを聞き入れなかったのは野田氏自身だ。今さら何を言っているのだろうか。

 この愚鈍さとそれに気づかぬ鈍感さことが、未だに旧民主党勢が国民から信頼されない理由だ。自民党に代わる政権を担おうとするなら、財務官僚のような能書きを垂れる前に、自ら納税者の気持ちに寄り添えるような社会経験を積むべきだろう。

 

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 これでは「民主党政権は惨事だった」、と当時の官房長官自らが言っていることになってしまう。政権獲得前は「無駄遣いのシロアリを退治する」と意気軒高だった野田氏も、財務副大臣になって財務省の言いなりなってしまった。副大臣や政務官をやることが、政権運営の必要条件ではない。

 結局、民主党の菅政権以降は、自民党政権の劣化版だった。