福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

各地でお祭り始まる

 参議院選挙後の週末は、各地でのお祭りです。土曜日は真壁の祇園祭。4台の山車が古い町並みを練り歩く壮麗なお祭りです。私も高上町の若衆に交じって山車を引かせていただきました。山車を引くといっても、優雅なものではありません。道をジグザグに進み、時には荒々しく駆け足になったり、交差点ではグルグルと回転したりします。うっかりすると壁と山車に挟まれたり、車輪に踏みつけられたりして大怪我をする危険性があります。

 何よりも感銘を受けたのは、山車を引く若衆に代々引き継がれている「しきたり」です。山車の運行は若頭を筆頭とする若衆に委ねられておりますが、その若衆には大老を頂点とする幹事などの幹部が指導をしております。大老から若頭には直接指示が行くということではなく、間に「月番」という補佐役が入ります。これは、おそらく直接の指示するという生々しい関係より、より摩擦を少なくすして組織を束ねる知恵なのではないかと推察しました。山車を引く若衆は、そのようなしきたりを尊重し、そして代々伝わる言い伝えを信じています。「山車を引くときには必ず雷がやってくる」そういっている間に、雲はみるみる黒くなって、雷が到来し、大粒の雨がこぼれ落ちてきました。「神様も喜んでいらっしゃる。さあ出発」と若頭のかけ声で、山車は勇ましく出発したのでした。

 周りの若衆に聞いたところ、子供の頃からこのお祭りに関わっていて、仕事で町を出て行った人もお祭りになったら必ず戻ってくるとのこと。子供の頃から培われてきた濃密な人間関係、そして年配者から代々伝わるしきたりと神々の言い伝えを謙虚に受け止める生き方。そこには長い間世代をかけて引き継がれれてきた美しき日本社会の姿が息づいていました。政治の世界、景気のこと、世の中で起きる事件、そんなものを見ていると、「この国は一体?」と思うことばかりですが、山車を引きながら、この美しい国に生まれ育ったことをありがたく思い、「まだまだ日本は捨てたものじゃない」という気持ちになりました。

 日曜日は、水戸の下市で古くからの盆踊りが伝わる銭谷稲生のお祭り、小学校区で行われる地域のお祭りなどに顔を出させていただいた後、夜は岩瀬で山王御輿会の若い仲間と共にお神輿を担ぎました。異常気象の今年はこの日も雷と大雨で、こんなに雷がフラッシュする空は生まれて始めて見ました。それぞれの地区で伝わるお祭りには、そのお祭りを守り続ける人々の人間関係や社会が背後にあります。その人間関係や社会が維持される源となっているのが、それぞれの地域に住む人たちのやさしく、おおらかで、謙虚な生き方です。毎年夏に盛大にお祭りを開くことができることこそが、地域がまだまだ元気であり、守るべき日本の文化・伝統が息づいていることの証拠です。そんな日本を守っていきたい、暑苦しい夏の夜に改めて誓いました。