福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

中小企業グループ補助金は『悪夢の民主党政権』の功績

〇私の選挙区の桜川市、筑西市に続いて今日は水戸市でも感染者が出たと発表された。東京では100人近い感染者。確実に危険水準は近づいている。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を出すのは、すでに遅きに失している。安倍総理は、今日の国会答弁で「ギリギリ持ちこたえている状況」「必要であれば躊躇なく決断し、実行していく」と官僚答弁を丸読みしているが、「ギリギリ」ならば「躊躇なく決断する」ことが「必要」だろう。こんなときにやせ我慢している場合ではない。

 特に大都市圏を中心に、夜に活動する若い人への感染が広がっているのが心配だ。だからこそ、法的根拠のある指示に基づく事業所の一時閉鎖とそのための損失補償を行うことが急務なのだ。

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 3月28日の記者会見で安倍首相は「損失を補填する形で税金で補償するのはなかなか難しい」と言っているが、これこそ財務省の論理。これを超える判断をするのが、政治家の役割である。

 私が1期目の3.11東日本大震災の時、多くの地元の企業や商店が被災して、「お店を直すお金を今さら借りたくないから閉店しよう」という声が相次いで、水戸の商店街は再起不能ではないかと言われていた。

 そうした要望を国に届けても、財務省の第一声は「私有財産の損失を税金で補償することはできない」の一点張り。そこで、私は中小企業庁の課長をやっていた同期と相談して、「個人の商店ではなく、たとえば商店街のようなグループに対して国の補助金を交付するという仕組みは作って、事実上一つ一つの企業の設備の再建に国費を投入することはできないか」と思い立ち、経済産業省から財務省に提案をしてもらった。

 財務省では被災地の宮城県選出の桜井充副大臣が、頑張って省内をとりまとめてくれ、「中小企業グループ補助金」という災害で被災した企業の設備等に国費が投入される前例のない制度が実現した。安倍政権になっても、たとえば昨年の台風19号の被害などに活用されている。

 これが「悪夢の民主党政権」でやったことだ。私は、大学院で講義していた時は第1講で、「政策は科学であり民主的な正当性をもって決めるものである」と、必ず話していた。中小企業グループ補助金は、「たとえば商店街が消滅することになれば、地域全体が衰退して結果として商店主以外にも損害が生じるため、国費を投入しなくてはならない」という理屈と具体的な事実を積み重ね、それを元に副大臣が政治家として財務省の官僚たちを説得できたから実現したものである。

 3.11東日本大震災は日本の東日本の沿海部が被害を受けたが、新型コロナウイルスの影響はまさに世界規模の未曽有のものである。前例を乗り越え、官僚の論理を克服するような行動を、安倍政権や与党の政治家の皆さんにはしていただきたい。今の段階であまり政府のやっていることにコメントすまいと思っていたが、あまりにも酷いので筆が動いてしまった。