福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

補正予算の概要を見ていたら、頭に血が上ってきた

〇外国人技能実習生が来られなくなって人手不足になる農業の現場に、経済の停滞で仕事がなくなった人を使うための人件費を直接補助する。こういう小回りの利いた新型コロナウイルス対策は、素晴らしい。

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 こう書こうと思って、農林水産省の補正予算の概要を見ていたら、頭に血が上ってきた。

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 農林水産省所管に関連する食品関連産業が、まさに今外出自粛の中で苦しんで先が見えない状況にある中で、コロナ禍が収まった後の需要喚起策としての”Go To”キャンペーンに1679億円を計上して、神経を逆なでしていることはともかく、

・次期作期を迎える品目の円滑な作付けの確保のために、生産に要する資材の購入、機械のレンタル等の支援に242億円
・新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を踏まえた輸出の維持・促進のための食品製造設備等の整備・導入支援等に147億円
・国産農産物への切り替えを円滑に行うため、野菜等の加工に必要な施設整備・改修の支援に143億円
・外食事業者の衛生設備の導入、店舗の改装の支援に10億円

などは火事場泥棒だ。これらのハードへの補助金は、これから新たな投資を行う事業者へのものだが、今日の売上げに必死で人件費や家賃が払えない心配をしている最中に、誰が輸出のための新たな設備投資などできるのか。

・「入国規制による外国人材の不足等に対応した労働力の確保」の60億円の内数にも「現場でのスマート技術の導入・実証を実施」とか「農業高校・農業大学校等への研修用機械・設備の導入」などが入ってる。

 こんものは必要なら当初予算でやればいい。一体、現場で新たに日本人を雇用する農家向けにはいくら確保されているのか?

 今緊急に必要なのは、コロナ禍で大変な目に合っている人たちへの応急止血措置だ。それには、とにかく四の五の言わないでばら撒くしかない。ところが、このありさま。他府省についても、推して知るべしだ。財源がないなどと言いながら、安倍総理が膨らまし粉で膨らませまくった108兆のうち、実際に困っている現場に行き渡るお金はごくわずかだ。

 「緊急時には政府にしたがえ」「こんな時に政府を批判している場合か」という意見も散見されるが、今日本国政府が行おうとしていることは、相当ピントのずれた酷いものであることも知っておいたほうがよい。

 コロナ渦が終わったら、この国の政治や政府を根本的に作り替えなければ、新しい世界での日本の二流国転落は確実になる。