福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

持続化給付金

〇遅いランチになじみのお店に行ったら、客もいない店内で店主が独り通帳や帳簿を広げて資金繰りを考えていた。寂しそうに背中を丸めた姿を見て、何とも言えない気持ちになった。「持続化給付金はもらったけど、お店の土地と建物のローンの支払いに消えてしまい、この第三波をどうやって乗り切ればいいのか」と切実に訴えてきた。

 15日がその持続化給付金の締め切り日ということで、ここ数日何件かの駆け込みでの申請の相談に乗っている。書類に不備があると、修正でなく一回申請を取り下げることを求められることがある。もしそれが1月15日にまたがってしまうと申請が不可能になってしまうので、電話の相談窓口に慎重に問い合わせるのだが、これがラチが明かない。向こうも派遣社員の素人だから、いちいちどこかにいる別の人に問い合わせる伝言ゲームを繰り返して、1時間近く電話した挙句に「それでは申請できません」などというニベもない答えをもらう。窓口の人に罪はないのだが、つい声を荒げたくもなってしまう。

 締め切り日の今日になっていきなり大臣が会見でこのような特例を発表することも含めて、制度がきちんとしたものに煮詰まっておらず、対応窓口もまったくその役割を果たしていない。日本の行政はここまで無能なものになったのか、と泣きたくなるほど情けなくなってくる。

 ある飲食店は、お父さんと娘さんの二人で店を切り盛りしてきたが、一昨年の秋に大黒柱のお父様が病で倒れてしまった。一人厨房に立った娘さんも、心労のあまり病に。昨春ようやく店を再開したところ、コロナ禍で5月は休店で売り上げゼロ。9月にお父様は亡くなられ、事業承継することになった。娘さんは自分の身体もまだ万全じゃない中、さまざまな役所の手続きやお店の引継ぎで持続化給付金の申請まで手が回らず、昨年末になってようやく相談にいらした。

 オンラインの申請が上手くいかず、問い合わせても窓口の人によって「対象になる」という人と「ならない」という人の両方がいる。この件も埒が明かないので知り合いの国会議員を通じて確認したら、「申請できる」とのこと。でもやはり、オンラインではうまくいかない。年が明けて私自ら中小企業庁の担当者に確認したら、「検討してみたけど給付金の対象じゃない」とのこと。「売り上げゼロの5月は、書類上お父様が代表者で事業承継していないから対象にならない」と言われて、あまりの不条理さに絶句した。

 コロナ禍の中、厨房に立てなくなった父、病弱でお店に出られない母に代わって一家の生活を支えるため、自らも病に冒されながら無理してお店を開いた人が、事業をやる苦労なんて知りようもない霞が関の役人が作った不合理なルールのために支援を受けることができない。心の底からぶつけようのない怒りの気持ちが沸き起こってくるのを、抑えられなかった。

 こうした不条理を正すのが政治家の役割のはずだし、自分がもし現職なら出身の経済産業省に声を大にして制度の見直しを強硬にはたらきかけていただろうが、今の私にはそれができない。肝心の国会はずっと閉じられていて、Facebookからは毎日現職の国会議員が地元で街頭演説をしたりする投稿ばかりが流されてくる。あまつさえ、こんな日に業者からの収賄で起訴される政治家まで。いったい誰がこの国難の時に、真面目に生活しようとしている人のことを考えて真摯に行動しているのか、と毒づきたくなってしまう。

 皆さん、今回身に染みて感じたのではないでしょうか。しっかりと政治家を見極め、厳しい目でチェックし、選挙に行ってちゃんとした政治家を選ばないと、国はとんでもないことになってしまうということを。そう言う私自身も、チェックをされる対象だ。今年行われる衆議院選挙は、これまでになく真剣に投票行動に向き合っていただければと願います。

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