〇この萩生田経済産業大臣の判断は、当然だ。
【萩生田光一経済産業相は17日の閣議後記者会見で、テロ対策施設が未完成のため停止している原発の再稼働を原子力規制委員会に要請する考えはないと明言した。「独立した規制委の所掌であり、経産省は意見を申し上げる立場にない」と述べた】
私は脱原発派ではないが、脱原発か再稼働か以前として、いかなる理由があっても、現在法令に基づいて独立規制機関が行っている規制を目先の再稼働のために変えることは、法治主義に反する。
【自民党の原発推進派議員でつくる議員連盟が今年3月、ロシアのウクライナ侵攻を受け、再稼働を求める決議書を萩生田氏に渡していた】
どうせ、やたら国士ぶる原子力ムラの守旧派の生き残りにそそのかされてやっているのだろうが、頭が悪すぎる。逆効果だ。こういう連中が再稼働を求めている限り、また再び間違いが起こるだろうから止めた方がよい。私は、そのことを原子力ムラに半分身を置いて、嫌というほど実感している。
私は、原発は再稼働すべきであると考えている。今の原子力規制委員会の規制が、合理的なものだとも思わない。しかし、再稼働させるためには、日本のエネルギーにとって原子力は現在そして将来どのような役割を果たすものなのか、そのために官民の役割はどのように分担・拮抗するのか、科学的に合理的な規制のあり方はどうか、そうした原子力政策の根本的な再構築が必要であると考える。
私は、いつでもそれに貢献するつもりであるが、反省なき夜郎自大な原子力ムラにお付き合いするつもりはない。今必要なのは、国士ぶった強がりではなく、冷徹な目で見た戦略性を持った原子力政策の立案だ。