福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

公正取引委員会委員長の人事に反対いたしました

〇今日の本会議は、国会同意人事の採決です。国民の権利義務などに関わる重要な国の機関の人事は、法律で国会同意が必要となっていて、この賛否も国会議員にとって重要な仕事です。私たち有志の会は、与党と立憲民主党・日本維新の会・国民民主党が政府提案にすべて賛成する中、公正取引委員会委員長の人事に反対をいたしました。

 公正取引委員会は、国際的な競争環境が激化し、日本の中小企業を巡る環境が厳しくなる中で、非常に重要な役割りを果たすべき行政機関です。かつての橋本行革の時、公正取引委員会の抜本強化が検討の俎上に上がり、私自身も当時の通産省のチームでその検討に携わってまいりましたが、あまり注目されることなく先送りにされてしまいました。

 日本企業が国際競争に打ち勝っていくためには、たとえば企業の統合などに際して国内の産業の競争環境を見るだけでは適当ではなく、世界全体の競争環境を見る必要があります。しかし、今の公取にはそこまでの体制や能力はありません。スピード感のない審査が、日本企業にとっての足かせになる場合もあるのです。公取のありかたそのものが、日本の産業競争力を決める時代になっているのです。

 一方、中小企業の賃上げが必要だと叫ばれる中、地元の多くの仲間の経営者たちから強く言われるのは、元請けや親会社との取引関係の中でそのような余力は生まれようがないということです。地方においては、公取の存在感はほとんどなく、大企業と地方の中小企業の歪な取引関係を訴えようにも、頼りになるものはありません。地方における公取の体制強化は急務なのです。

 このようにグローバルな競争の観点と、地域経済の活性化の両方の観点から公取が果たすべき役割は極めて大きいにもかかわらず、その歩みは遅々としたものとなっております。最大の要因は、トップが大蔵省・財務省の天下りが占めていることにあると考えます。「公正取引委員会」という行政組織としての組織文化や専門性が育まれづらい環境にあるのです。

 今回候補となっている古谷氏は、国税庁長官や内閣官房副長官補を務め、官僚としての能力がある方であることは衆目一致するところですが、生き馬の目を抜くような企業経営の実態や世界の産業の趨勢に通じているとは思えません。前任で7年あまり委員長を務めた杉本氏は元財務次官、その前任で約10年委員長を務めた竹島氏は古谷氏と同じ元国税庁長官・内閣官房副長官補。橋本政権になって大蔵省不祥事の影響で一時的に委員長の座を検察出身の根来氏に譲ったものの、1977年から1996年まで3代約20年にわたって大蔵省からの天下り。

 担当は河野太郎大臣ですが、日本の産業競争力がここまで低下する中で、もういい加減このような惰性の人事は終わりにした方がよいでしょう。そして、国会も、とりわけ自民党に代わる政治を実現しようとする政治勢力は、真剣に同意人事の賛否を考えた方がよいのではないでしょうか。有志の会は、妥協することなく、反対を表明することで一石を投じたいと思います。

 今日はあわせて岸信夫衆議院議員辞職の件が報告されました。同日にご子息が衆議院補選への出馬表明。国会は国会議員のためにあるものではありません。停滞し続ける日本にあって、国民の皆さんに国会のあり方をぜひ根本からお考えいただきたいと思います。