福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

地方自治法改正法案

〇今日の本会議で、有志の会は地方自治法改正法案に賛成。この法案は、一部のメディアが「地方分権に逆行」とか「国が直接国民を縛る緊急事態条項だ」などと批判しておりますが、条文を読むと「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」というべき何の問題もない法案であることが分かります。

 これまで災害や大事故の際に、既存の法令では対応できない「想定外」のことが起きるのは、何度も私たちは体験してきたことです。そうしたときでも、行政は何らかの対応をしなければなりませんが、行政は法令に従わなければ仕事はできませんから、法律に規定されていない業務は「誰もやらない」という消極的権限争いになったり、不作為になったりする場合があります。 

 こうしたことに備えて、改正法案第252条の26の4では「事務処理の調整の指示」という項目を設けて、市町村がやるのか都道府県がやるのか事務の処理の調整を都道府県にやらせるための国の指示が規定されています。(この点について、事務処理の当事者でもある都道府県に調整能力があるのか、という指摘が緒方林太郎議員からなされたことを付言いたします)

 それでも調整ができない、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生する恐れがある場合」で「生命等の保護の措置の的確かつ迅速な実施を確保するため特に必要があると認めたとき」で、かつ他の法律に「当該生命等の保護の措置に関し必要な指示をできる」規定がない場合に限って、閣議決定を経て、国は地方公共団体に「事務の処理について」必要な指示をできると、改正法案252条の26の5で規定されています。

 つまり、これらは「事務の処理」を誰がどうするかを整理するための規定であり、いわゆる憲法の緊急事態条項の議論で出てくるようないきなり国が強権的に超法規的措置を命令するようなものではありません。確かに「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生する恐れ」など、要件としてあいまいな部分があるのかもしれませんが、その後の国の権限が単に「事務の処理」についての指示程度のものであれば、それほど厳密なものでなくても問題はないでしょう。

 むしろ、この程度の国の指示権にまなじりを決して反対する政党は、本当にちゃんと法律の条文を読んで反対しているのか、健全な立憲主義の感覚を持っているのか疑わざるを得ません。今日の本会議での一部野党の反対討論を聞いても、「いったいどの法律のことを言っているんだろう」と思えるような的外れなものに思えました。「何が何でも反権力」という姿勢では、政権は担えないでしょう。

 東日本大震災の時に菅直人首相がいきなり法令に基づかずに浜岡原発を停止させたような、コロナ禍で安倍首相がいきなり法令に基づかずに学校を休校させたような、前例のない強権を法令に基づかなくてやることを許容するのであれば、それは非立憲主義的です。想定外のことが起きた時の行政の事務の処理を整理するための法的根拠を与えるこの改正法案は、むしろ立憲主義の観点から必要なものと言えるでしょう。

 私たちの賛成理由を他の反対した野党議員から問われましたが、こう説明すると皆さん納得されました。私たち有志の会は、イデオロギーや思い込みにとらわれることなく、条文ベースで法案を一本一本審議し、立憲主義や国民の権利を守る観点から賛否を決めてまいります。

 

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 こういうのが、典型的な条文を読まない/読めない、イデオロギッシュな記事。反権力が知的だったりかっこいいと思うのは、特定の世代の一部の人だけだろう。

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