補正予算案が衆議院を通過し、究極的な忙しさは少し和らぎましたが、税制改革、TPP問題、新成長戦略など相変わらずの忙しい毎日が続いております。地元の県議選も大詰めとなってきて、焦ってきております。そうした中、本日の夕方参議院本会議場にモンゴル国のエルベルドグジ大統領いらして国会演説を行いました。今年はアジアで初めて、モンゴルが共産主義体制から民主化を成し遂げて20周年の記念の年とのこと。大統領は当時の民主化の闘士でもあります。「日本人とモンゴル人にはともに蒙古斑というものがある。大人になると蒙古斑は消えるように、民主化運動という蒙古斑は、時間がたつと消えてなくなるが、そこで得た人権という価値観は体の中からは決して消えない」という趣旨のユニークな演説をされ、大いに心を打たれました。先日はわが郷土力士の稀勢の里がモンゴル出身の大横綱白鵬の連勝を止めるなど、日本とモンゴルは相撲などを通じて身近な存在となってきておりますが、中国と国境を長く接する国に、共通の価値観、身体的特徴、歴史的交流をもったモンゴルという国が存在することは、我が国にとって極めて重要なことです。日モンゴル議連の一員として、一層の友好関係の深化に尽力してまいりたいと思います。
昼間にはある勉強会において、元外交官の佐藤優さんの講演を聞きました。尖閣沖のビデオ流出問題は、政党政治の混乱の中での官僚のクーデターであり、これに拍手喝采する世論の状況は、議会制民主主義が崩壊する予兆となりうるものであると。5・15事件、2・26事件から先の大戦につながる歴史と対比しながらの説得力ある議論は、背筋が冷たくなるものがありました。TPPと桜田門外の変、ビデオ流出問題と5・15事件、これらの歴史上の事件はみんな水戸の人が大きく関わっております。自らの手で民主化をなしとげて20年たち、これから大きく成長しようとしている国と、議会制民主主義が揺らぐ音がかすかにしている国。この時期に私が政治家であることは、何か大きな時代を背負うことになるのかもしれない、と胸の奥底に重いものがつっかかっているような、なんとも言えない気持ちになりました。