福島のぶゆきアーカイブ

これまでにWebで公開したものの記録です

今年は初志に立ち還る

新年明けましておめでとうございます。

各地各団体で開催される新年会では、昨年の3.11東日本大震災を振り返るあいさつが続きます。辰年の今年こそ、明るい年にしたいものです。

今年は台湾の総統選挙に続いて、韓国、中国、米国などで指導者が変わる年です。中東では昨年の「アラブの春」以降の次の時代がどのようになるのか不透明な情勢です。何より欧州では、年明け早々に対円のユーロレートが100円を切ったことに象徴されるように、経済危機、欧州統合崩壊の足音が聞こえてきております。後の世界史において、2012年は「西欧近代文明転換の年」と刻まれるような年になるかもしれないという予感もいたします。

そんな世界の荒波を我が国が乗り越えていくために、今年こそ政治の決断が必要な年はないでしょう。ちょうど10年前の今頃、私は小泉総理の内閣官房のスタッフとして、構造改革特区制度の立案のために夜を徹して仕事をしていました。バブル崩壊後の長引く経済の低迷、少子高齢化社会を迎えた閉塞感の中で、日本の国際的な地位は年々低下しているにもかかわらず、当時の自民党政権は戦後の繁栄にうつつを抜かし、官僚任せで何も決断できませんでした。そうした中で「改革なくして成長なし」「古い自民党政治をぶっ壊す」というキャッチフレーズで誕生した小泉政権は、日本の政治と社会を変えるのではないかという大いなる期待感を持たせ、お仕えする私たち官僚も寝食を惜しんで仕事をさせていただいたものです。

しかし、そうした小泉政権でも、構造改革特別区域法案を策定、成立する過程で、最後は官僚機構の「やったふり」「骨抜き」が相次いで羊頭狗肉のものとなり、そうした状況を私たちが報告したことに対して、小泉総理は見て見ぬふりをするだけでした。大きな失望感を持った私は、当時のボスの鴻池担当大臣に「こんなごまかしの政治では国は滅びる。自ら政治家になって古い自民党政治をぶっ壊します」と訴え、霞が関から飛び出しました。「あのときの福島の眼つき尋常ではなかった」と一昨年の私の東京のパーティーで鴻池大臣は語っておられました。

しかし、私の地元の世襲議員の保守地盤は強くて、連続して2回衆議院選挙に敗れ、さまざまなものを失い、6年間の浪人生活を送りました。選挙区内を一軒一軒訪ねて歩く中で、かけがえのないことを多く学ばせていただきました。苦しい浪人生活を耐えることができたのはただ一つ。官僚任せで何も決断しない古い政治を政権交代で変えることこそが、さまざまな困難を抱えるこの国の歴史を前進させることにつながると純粋に信じ、自らの人生をそこに賭ける決意を固めていたからです。

そして、いよいよ2009年の総選挙でのその政権交代の実現。颯爽と登場し、国会やメディアで筋道だった主張をする鳩山内閣の閣僚や政務三役は、「なるほどこれまでの自民党の政治家とは違う」と思わせたものでした。私は、あの選挙で掲げていたマニフェストの多くの項目は、プロの政策マンとしての立場からみても理論的に実行可能である、と今でも確信しております。ただし、それまでの前例にとらわれない斬新な政策をやりとげるには、政治の強い意志と、国会で法案を通して行く粘り強い調整能力・政治力が必要となります。つまり、統治機構の仕組みそのものを変えることをやらなくては、これまでとは違う新しい政策は実現することができないのです。

ところが、鳩山内閣が沖縄問題でつまづき、菅政権下で参議院選挙に敗北してねじれ国会となると、私たちの政権は統治機構の仕組みそのものを変えるという政権交代の本質をあきらめ、これまでどおりに官僚機構に統治を委ねるようになってしまいました。その結果、マニフェストは相次いで放棄され、政策の中身も、政権運営のやり方も、古臭い自民党政権そのもののものに堕落してしまいました。今や、日本の苦境を救うための政権交代から、自らの権力を維持するため政権交代へと決定的に変質してしまったのです。

私はこの間一貫して、日本に新しい政治の仕組みを作り上げなければならない、という信念を忘れたことはありませんし、選挙前に皆さんとお約束したことを守ろうとして行動してきたつもりです。しかし、そうした信念を貫けば貫くほど、なぜか党内の主流派からは離れていってしまいました。私は今の民主党政権のあり様をみると、自分が何のために安定した官僚の地位を捨て、6年間の苦労を経て政治家になったのか、その立脚点がわからなくなってしまうような思いに駆られます。「一体あの政権交代は何だったのか。」この思いは、多くの国民の皆さんにも共通するものなのではないでしょうか。私は自らの信念が間違えているとは今でも思っておりません。これまで2年間の自らの行動にも恥じるところはなんらありません。でも、今の政治の状況は、必ずしも自らの政治への志を満たすものではありません。

今年は解散総選挙も噂される年です。日本の政治の将来にとって大事な大政局の年となることでしょう。そうした政治の年に、私は初志に立ち還り、水戸っぽとしての信念貫いて行動してまいる所存ですので、どうかご指導ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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