〇さすが、元検察幹部による文章。完璧な論理構成だ。関心のある方、必読。
【本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕(ちん)は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿(ほうふつ)とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる】
【17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「統治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である】
成文法であれ英国憲法のような不文法であれ、歴史上積み重ねられてきたそれまでの解釈を尊重するのが、健全な保守主義である。今の安倍政権がやっていることやその支持者の言説は、革命やクーデター。左派そのものである。
森法務大臣をあじめ現政権は、これに対する納得のいく反論ができないのであれば、検察庁法改正案を切り離して採決するべきである。
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本質を突いたコラム。