福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

「やれない理由」を挙げさせたら、日本の役所の能力は世界一

〇典型的な、知見のない記者が役所のレクチャーを受けて書いた記事。衆参の委員会での法案審議の議事録を読んで、質疑した議員や参考人の学識者にでもちゃんと取材すれば、このような記事にはならない。

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【無料化方針を正式に撤回し、永久有料化にかじを切るべきだとの意見も多いが、従来の仕組みを抜本的に変える必要があり、課税を免除されている固定資産税の扱いも課題となる】

 これこそ典型的なお役所の理論。固定資産税の扱いなど法律を変えればいくらでも対応できる。「やれない理由」を挙げさせたら、日本の役所の能力は世界一だ。

【今回の法改正は、老朽化対策が待ったなしの中、無料化の旗を下ろさず半永久的に料金徴収を続けられるほぼ唯一の選択肢だった】

 「唯一の選択肢」としか考えられないのだとすれば、記者の勉強不足。お役所が言っていることをそのまま垂れ流しているのだとすれば、その役所に能力が決定的にないのか、嘘をついている。

 高速道路料金制度の問題の根幹は、「有料化か将来の無料開放継続か」ではない。料金収入だけで建設費を回収するという「償還主義」を続けるかどうか、である。私がずっと主張している高速道路無料化は、償還主義を廃して過去の建設費を建設国債に付け替えること。新たな高速道路は、公共事業として既存の道路との体系的整合的な整備を行うこと。オプションとして、500円などの定額の「通行料」を徴収して維持管理に充てるなどの方策はあるが、これは償還主義の下での「有料化」ではない。

 償還主義を廃すると、存在理由がなくなるのがNEXCO。先日の国土交通委員会でれいわ新選組の多ヶ谷議員が明らかにしたように、NEXCO各社の幹部の多くが国土交通省からの天下り。NEXCOが出資する子会社や孫会社になると、その数は膨大になる。だから、お役所はこの問題の本質的な解決に手を付けたがらない。国民の多くが「高速道路は有料が当たり前」と世界一の高額料金を黙って払い続ける従順さにつけ込んで、甘い汁を吸い続けてきているのが実態だ。

【国交省幹部は「抜本的な制度見直しは道路公団民営化並みの機運がないと難しい」と話す】

 国土交通省が誕生して以降、民主党政権時を除くほとんどの機関の大臣は公明党であった。それぞれ、能力も人格も立派な人たちであるが、与党第一党が大臣にならなければ大きな政治判断はできない。与党第一党の大臣でも、大抵は「お客さん」として役所の言いなりになるだけだ。

 このような戦後の政治システムそのものを変えなければ、本質的な制度改正をできない。本質的な制度改正を平成の時代以降できていないことこそが、日本の停滞と国民の貧しさに繋がっている。私が20年間厳しく苦しい選挙を戦い続けている所以だ。