〇今週も国会ではさまざまな日程が目白押し。3年ぶりに多くの人を集めて行われた北方領土返還要求全国大会。私は中学生の頃領土問題に関心をもって自由研究のテーマとし、高校生の時には仲間と一緒に学園祭でパネル展示などを行っていました。日露関係がこのような状況の時こそ、日本人は奪われた領土を絶対に忘れないという姿勢を見せなければなりません。
日米国会議員連盟では、ビル・ネルソンNASA長官との意見交換。ネルソン長官は、上院議員・下院議員を長く務め、下院議員時代には宇宙飛行士として野口さんなどと一緒にスペースシャトルに搭乗しています。元々が科学者ではなく政治家なので、ちょっと生臭い話が多かったです。
有志の会では、閣議決定された法案のヒアリングを連日行っております。通常こうした説明は、わかりやすいポンチ絵を見てわかったような気持ちになるものなのですが、そうしたポンチ絵には政府の都合の悪いことは書かれていません。私たちは、条文を読み込みながら緻密な法律議論を行いますので、おそらく他のどの党より役所にとっては厳しいヒアリングだと思います。
防衛財源確保法案は、5年間で40兆円以上かかる防衛予算のうち来年度予算で特例的に確保しなければならないものを定めるものですが、この法案で得られる税外収入は1.5兆円だけ。しかも「特例的」というのは本来次年度に繰り入れるべきものを前倒しで繰り入れたりするものなので、次々年度以降の税外収入を先取りしてしてしまっています。財務省は、こうやって歳出を固定した上で税外収入を食い尽くして、最後は「増税しかない」と持っていこうとしているのが見え見えです。
感染症に対応するために内閣感染症危機管理統括庁の設置などを定める法案は、これまで厚生労働大臣と西村氏や後藤氏などの内閣府特命担当大臣が担ってきた感染症対策を内閣官房長官の下で行うようにするものです。これによって、国立感染症研究所などとの距離はむしろ離れ、果たして機能するのか大いに疑問です。「内閣に司令塔を作る」という政治メッセージを実現するためだけの、改悪になっているように思います。
私は、JCO事故の後に原子力危機管理体制を定めた原子力災害対策特別措置法の制定に携わり、東日本大震災の時に菅首相のその法律を無視した対応によって行政組織などの混乱を引き起こし、原発事故で法律を役立てることができなかったという忸怩たる経験があります。感染症分野でもこの轍を踏まなければいいが、と懸念いたします。「馬鹿な大将、敵より怖い」という俗諺が頭をよぎりました。
雪が降る前に、地元に帰ります。