福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

街宣車からの風景と水田農業の危機

〇今日の街宣車からの風景。20年間選挙区を街宣して回っていますが、地元の支援者の皆さんと会うとともに、それぞれの地域の変化を観察して回ります。当然のことながら、自分の選挙区内であれば、どこに何軒どういう家があり、どこにどのような田畑があって何が植えられているのかということは、だいたい頭に入っています。

 一見素晴らしい稲刈り前の風景ですが、多くの田んぼで畔草が刈られておらず、人丈まで伸びているところもあります。まだ緑色をした飼料米の田んぼでは、ヒエなどの雑草が伸び放題になっています。動物に食べさせるものだから粗放栽培でということではないのでしょうが、おそらく担い手が高齢化して田んぼに手を掛けることができず、集落の機能が低下して共同の作業などができなくなっているのでしょう。

 休憩に立ち寄った支援者のお宅でも、今年限りで耕作を辞める農家から機械を譲り受けてきたと言っていました。大規模にやっていた地域の中核農家だったそうです。主食用米は稲刈りが始まっていて、田んぼは乾かさなければなりません。飼料米はまだ穂が出ているところですから、水を入れ続けなければなりません。主食用米と飼料用米を作っている農家で、水を巡る争いが起きて険悪な雰囲気になっているとのこと。水利費の支払いを拒否する家も多いので、トラブルを怖がって土地改良区の役員のなり手もいなくなっていると言います。この支援者の方は、元赤城後援会。農業委員なども務めた、もちろん元自民党員です。

 私は、昨年の通常国会の予算委員会で金子農水大臣(当時)に「水田農業の危機」について魂を込めて訴えさせていただきました。しかし、長崎の水産会社出身の大臣の心を動かすことはできませんでした。水田農業の危機は、単なる産業としてのコメの危機ではなく、農村の集落の危機であり、日本人の勤勉性とか共同精神といった価値観の危機でもあります。10年前に比べて、農村の衰退は著しいものがあることを実感いたします。

 「どうしてこんな世の中になっちゃったのかね」。私の支援者は、スイカの種を吐き出しながらポツリとつぶやきました。