福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

蔡英文総統最後の双十国慶節祝賀式典

〇蔡英文総統最後の双十国慶節祝賀式典。日本からの約50人の国会議員と台湾の国会議員とでパレードをしました。台湾の友人が「テレビに大きく映っていたよ」と教えてくれました。

 台湾海峡の危機を強い言葉で訴えていた昨年の演説に比べて、今年の演説は控えめ。でも、蔡総統らしく控えめで知的な演説の中にも強い意志を感じるものでした。キーワードは「自信沈穏」。

 蔡総統は7年間の自らの仕事を振り返りながら、国産潜水艦を30年間の間に何度かの政権交代をしながら実現した事例を挙げて、「台湾の民主政治の到達点は世界標準となり、それが揺るがないことが世界的な民主政治の持続的発展、安全、繁栄の最大の保証になっている」と言いました。そして、「現在の台湾は世界の台湾になった。地政学的にみても、世界的な民主政治、国際的な供給システムにおいても、私たちが最も信頼ができて、最も効率的で、最も安全な世界のパートナーであることを示すことができた。私たちへの国際社会の支援の強さは、前例のない強さになっている」と自信を示しました。

 だから、「能自信沈穏、面対中国、為未来的発展、創造両岸和平共存的条件」、つまり自信を持って、落ち着いて、台湾海峡両岸の未来の発展のために中国と向き合い、平和的共存の道を作り出そう、と主張します。

 さらに、これまでの台湾の歴史を振り返り、国内外の巨大な圧力の中で民主政治を発展させ強固にしたことをもって、「台湾の民主政治を守ることが、世界の民主政治の価値を守ることなのだ。だから、自信を持って、台湾国民の尊厳、独立心、情熱、善良を世界に示そう」と訴えます。

 来年の1月は、台湾の総統選挙。「政党間の競争こそが、民主政治の日常だ。でも、この場にみんな一緒にいることが(注:欠席している馬英九前総統への皮肉か?)、台湾の民主政治の尊い姿を示している」と言います。厳しい国際環境の中、世界から台湾が大事だと注目してもらえるように30年間民主政治を磨きに磨いてきた国、台湾。一方、「経済大国」の立場にあぐらをかき、この30年間政治改革を成し遂げられなかった国、日本。台湾の民主政治の到達点をまぶしく眺めました。

 私の台湾人の友人曰く、蔡総統の「台日友情堅定不移、台美関係堅若盤石」という言葉に、台湾にとっての日本との関係が象徴的に表れていると言います。こういう時に、漢字は便利です。まずアメリカとの関係より日本との関係が先に来ています。世界の国で、このような順番にするのは台湾だけでしょう。そして台日間は「友情」、台米間は「関係」。

 蔡総統は、最も忙しい今日一日、私たち日本の国会議員団と昼食を取りながら、「日本が一番好きな国で、退任したら日本を訪れたい」とおっしゃっていました。あと7ヶ月の任期。これから何が起こるかわからない過酷な職務ですが、ぜひ肩の重い荷物を下ろした蔡総統と、日本でゆっくりお会いしたいものです。

 

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 2012年の総統選で敗北した蔡英文総統のこの演説は、なぜか心に沁みわたる。私は、落選中に、何度もこの演説を聞いて自らを奮い立たせた。


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我們要堅強,我們一定要堅強,我們一定要比誰都堅強。我們是民進黨,我們過去在面對挫折的時候,我們從來沒有倒下過。以前不會,我知道,這一次也一定不會。

這四年,是很美好的旅程,我們一起並肩作戰,在我的心中,你們不只是投票給我的人,你們是我最好的夥伴。

今天晚上,我相信大家心裡都很難過;如果你心裡真的很難過,就讓它發洩出來。你可以哭泣,但不要洩氣。你可以悲傷,但是不要放棄。因為明天起來,我們要像過去四年一樣的勇敢,心裡充滿著希望。

我們必須勇敢地扛起這個國家的責任,我們必須樂觀地,繼續為台灣這塊土地打拼。無論我們在哪個位置上,這個國家,都需要我們繼續愛她、呵護她。

私たちは強くならなければなりません。私たちは必ず強くならなければなりません。私たちは誰よりも強くならなければなりません。私たちは民進党です。私たちは過去に挫折に直面したとき、決して倒れたことはありません。以前はそうでしたし、今回もそうでしょう。

この4年間はとても素晴らしい旅でした。私たちは一緒に肩を並べて戦いました。私の心の中では、あなたたちは私に投票した人というだけではありません。あなたたちは私の最高のパートナーです。

今夜は、みんなの心がとても悲しいと思います。もしあなたの心が本当に悲しいなら、それを吐き出してください。泣いてもいいですが、めげてはいけません。悲しんでもいいですが、諦めてはいけません。明日起きたら、私たちは過去4年間と同じように勇敢で、希望に満ちています。

私たちはこの国の責任を勇敢に背負わなければなりません。私たちは楽観的に、台湾という土地のために頑張り続けなければなりません。私たちがどの立場にいようとも、この国は私たちが愛し、守り続ける必要があります。