【新たな労働協約案には、2028年4月まで4年半で25％賃上げすることや、物価に応じた調整金の支給が盛り込まれた。組合員が承認し正式に合意すれば、9月15日から続く合同ストは終結する見込み。ストに参加するなど労組を支援したバイデン大統領は「多くの犠牲を払ってきた自動車労働者に報いる合意だ」との声明を発表した】
日本がなぜ貧しくなったのか、その理由の一つがこの記事に明確に表れている。総理大臣や与党幹部が経済界に賃上げを求め、労働組合のトップは戦わずして官邸や与党幹部に日参する国と、労働組合が1ヶ月以上ストライキをして賃上げを獲得し、その労働者の奮闘をトップが称える国。イデオロギーの問題ではない。近代国家としての社会の仕組みの問題だ。
かつて、新型コロナウイルスへの学校の対応に抗議するためにストライキに立ち上がった地元の高校生たちを賞賛したところ、労働組合関係者から執拗に「ストライキはダメだ」という批判のコメントをいただいた。どこの先進国でも、ストライキは労働者の権利として認められていることを知らないのか、とビックリした。最近の日本の自動車産業では、経営者からも労働組合からも情けない話しか聞かない。労使間で傷を舐めあっている産業に、国際競争で勝ち抜く力は生まれないだろう。
明治維新以降、西欧文明を外発的に受け入れただけで、近代社会を自らのものとして身に付けられていない根本的な欠陥が、平成の30年間の日本の停滞と転落の根本的な原因なのではないかと考える。政治も経済も、この国の明治維新以降の歩みの根本から問い直すべき時が来たのだ。
私は、政治家として
♪闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
という人間でありたくない。
♪冷たい水の中を ふるえながらのぼっていけ
でありたい。
