福島のぶゆきアーカイブ

衆議院議員 福島のぶゆきの活動記録です

私たち有志の会はこの亡国の予算案に当然反対をいたしました

〇昨日の本会議で令和5年度補正予算案の採決が行われ、私たち有志の会はこの亡国の予算案に当然反対をいたしました。いくつかの野党を名乗る政党が賛成しましたが、ガソリン税のトリガー条項とか、万博予算とか個別の事項を検討する以前の大きな問題があると考えます。

 昨日の予算委員会での反対討論で、同志の緒方議員がその問題点を端的に指摘しております。(緒方議員の反対討論すべてが私の立場とは一緒ではありませんが、その全文を下記に掲載します)

【今の経済政策は物価を上げる事、下げる事いずれを指向しているのかが審議を経てもついぞ分かりませんでした】

 今回の補正予算案は「物価高対策」と言いながら、マクロ経済学のごく基礎的な知識で見ても、物価上昇を助長するものにしかなりません。物価高対策と言って、物価を上げる予算を編成する。まさにブラックジョークの世界です。このこと一つとっても、賛成する余地はありません。

 加えて、その財源はすべて公債です。これまでの補正予算は、ほぼ毎回決算剰余金を財源の中心として編成してきました。当初の税収見積もりは保守的に低く見積もるので、例年決算ベースでは剰余金が生じるからです。しかし、これは通常国会で成立した防衛財源確保法によって防衛費のための基金に繰り入れられることが決まっておりますので、これを財源とすることはできません。通常国会の予算委員会での私の指摘を緒方君は反対討論でも紹介してくれています。

【今回の補正予算をよく見てみると、経済対策部分の財源は公債と予備費の減額です。つまり、すべて公債が原資と言っていいでしょう。以前、当会派の福島伸享議員が「決算剰余金を防衛財源に振ったため、余裕がなくなり今後の補正は公債頼みになるのでは」と指摘しましたが、当にその状況が顕在化しています】

 私は、景気低迷期に公債を発行しての経済対策を否定はしませんが、物価が上がる予算のために公債を発行するのは愚の骨頂だと考えます。いずれ経済学の教科書で、最悪の事例として紹介されることになるでしょう。

 こうした亡国の予算案に対して、政権交代を標榜する野党の議論は生ぬるいものでした。個別の事象や支援者の関心が向くものばかりをみんなで掘り下げ、岸田政権の行っている政策の全体像や政策立案過程を議論しない。本気でがっぷり四つに政権と取っ組み合いをしていないのです。岸田政権の支持率も自民党の支持率も、第二次安倍政権誕生以降最低水準にありますが、すべての野党の支持率も地を這う水準にあるのも当然です。大多数の国民の皆さんが「支持できる政党はない。今の政治家には期待できない」と思ってしまうのも、当然でしょう。責任は、私たち国会議員それぞれにあります。志ある野党議員の決起を促します。

 北朝鮮のミサイル発射への抗議決議には賛成いたしましたが、主要会派で唯一提出会派には加わりませんでした。北朝鮮の行動にはすぐ抗議決議をするのに、中国による日本人拘束に抗議したり、バックにアメリカがいるイスラエルとハマスの停戦の決議は遅々としてやろうとしないチキンな国会に同じたくないからです。

 緊急上程したJAXA法改正法案にも反対。JAXA(宇宙航空研究開発機構)に1兆円の基金を積んで民間企業等に研究費助成を行わせることを内容としていますが、研究者の集団であるJAXAが民間研究への目利きなどできるわけありません。国が助成をしなければ進まない民間研究など、そもそも事業として成功した試しがありません。そこにガバナンスの効かない基金を積むなどというのはこれも愚の骨頂なので、当然反対です。基金造成に反対する野党が、この法案に賛成しているというのも理解できません。

 私たちの会派は、一つ一つの法案の賛否を熟議を行って決めているつもりです。国会議員は、もっともっと国会での審議と採決に真剣に臨まなければなりません。政党の採決マシーンの国会議員はいりません。

 

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緒方議員の反対討論

 採決に際して、反対の立場から討論いたします。まず、先般の質疑で時間配分を誤り、6分残して終わってしまいました。種々ご配慮いただいた立憲民主党、日本維新の会にお詫び申し上げます。

 さて、今週号の英語誌「The Economist」には、日本の経済について「膨らんだ希望」という題で記事がありました。日本経済の将来に幾許かの期待感が述べられておりました。過去10年繰り広げられた、アベノミクスという誤った政策から決別しようとしている時、外からはこう見えるのだなと思いました。

 であるが故に、今回の補正予算はとても残念です。質疑では取り上げませんでしたが、今の経済政策は物価を上げる事、下げる事いずれを指向しているのかが審議を経てもついぞ分かりませんでした。公債を9兆円も発行して、緊要性に欠ける事業に注ぎ込めば物価は上がります。それをあたかも物価が下がるかのような説明をしているのは滑稽にしか映りませんでした。また、現在の円安から来る日本経済の苦境の理由を探ってみれば、公的債務が積み上がっている事にあるのが分かります。しかし、今回の補正予算をよく見てみると、経済対策部分の財源は公債と予備費の減額です。つまり、すべて公債が原資と言っていいでしょう。以前、当会派の福島伸享議員が「決算剰余金を防衛財源に振ったため、余裕がなくなり今後の補正は公債頼みになるのでは」と指摘しましたが、当にその状況が顕在化しています。未来に幾許かの希望が見えている中、基本コンセプトがぶれている予算が出て来るのは最悪です。

 岸田政権については、長期的な方向性がそれ程悪いわけではないのに、短期的な政策の所で小手先である事、そして「パンとサーカス」を提供していれば支持率は上がるだろうという国民の思いを値踏みするかのような浅薄な考えが見え隠れする事、これらが支持率の下がる原因となっています。国民はよく見ています。そのような思いが透けて見えた瞬間拒否されるのです。また、岸田総理はここまで「衆議院解散」と「減税」というカードを弄んできました。これらのカードを弄んだ為政者に明るい未来が到来する事はありません。

 今後、少子化対策の政策が固まって来るでしょう。支援金制度では子育て世帯に手厚く対応し、それ以外の方にご負担をお願いする形になりそうです。これは「社会全体で子どもを支える」という理念そのものであり、もっと言えば昨年の今頃流行ったフランスの「N分のN乗税制」と似ています。支援金制度を社会保険で上乗せして実施しようとしている事には疑問がありますが、大きな政策の方向性としてはこれ以外には考えられないでしょう。少なくとも、少子化対策の財源を全額公債とする提案をしている政党よりは遥かに誠実です。だからこそ、国民に真正面から向き合い、ご負担をもきちんと頭を下げてお願いする胆力が必要です。今、政権から聞こえてくるのは、「実質的には負担増とならない」といった技術的なレトリックで何とか誤魔化そうという姿勢です。それが国民に嫌われているのだ、という事を理解し、「増税ナントカ」と批判される事にビクビクせず、威風堂々とした姿勢に転換されん事を期待し、反対討論といたします。


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