〇先ほどの本会議で令和5年度予算案が可決され衆院を通過し、年度内の成立が確実となりました。これを受けた所感をYouTubeで配信しましたので、ぜひご覧ください。
来年度予算案は、額が史上最大規模であることのみならず、5年間で43兆円の防衛予算の在り方やその財源など、歴史的に重要なものでした。言うまでもなく、これらはすべて今と未来の国民の負担によって賄われるものですから、国権の最高機関たる国会では国民の皆さんの選択に資するような論点の対立がわかるような議論をしなければなりません。
しかし、この国会の議論は極めて低調で、今日の本会議の自民党議員の賛成討論では、審議拒否などを行わなかった立憲民主党への感謝の言葉が述べられたほどです。ここまで野党が舐められるのは、前代未聞のことでしょう。
そして、最後はれいわ新撰組の牛歩戦術にもならないコミカルな牛歩。大石議員は投票に間に合わなかったため、政府案に「反対」ではない意思を表明することになってしまったズッコケぶりは、この締まらない国会を象徴しています。
おそらく今年は、歴史上最低レベルの国会に堕落してしまっています。今の政党の枠組みでは、日本は落ちるところまで落ちてしまいます。私たち5人で結束して、何とかしなければなりません。
★オマケ
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我が会派の緒方君の反対討論。ぜひ味読してください。
緒方 林太郎【予算委討論原稿】
有志の会の緒方林太郎です。今回の予算案に対して、反対の立場から討論いたします。
今国会での議論を通じて痛切に感じたのは、ほぼすべてのテーマについて「真正面から答弁が返ってくるのは極めて稀」という事でした。岸田総理は「国会で御議論いただきたい」と言うものの、その本質は国民の代表たる国会をあたかも等閑視する姿勢でした。芥川龍之介の「或阿呆の一生」に、ソ連のレーニンを指して「誰よりも民衆を愛した君は誰よりも民衆を軽蔑した君だ」というフレーズがあります。岸田総理が民衆を軽蔑しているとまでは思いませんが、その答弁から民衆への愛を感じる事は少なかったというのが感想です。
一方、野党側の主張の中にも財源の当てがなくポピュリスト的のものが散見されます。やりたい事のショッピングリストを並べて、確たる財源から目を背けるのは「政策」とは言えません。当会派の吉良議員は、今回の予算委で「誰もが言いたくない提案」をリスクを取りながら提示しました。耳障りのする事は誰もが言いたくありません。しかし、財源と呼べないようなものを並べる事は不誠実であり、漠然とした「行革」というキーワードに過度に依拠した財源論は不毛です。今、必要とされる金額を捻出するための行革ならば、社会保障、地方交付税、公共事業といった大玉に着手せざるを得ません。そこまでの覚悟があったでしょうか。
私があえてこの場で言いたいのは「真面目にやろうぜ」という事です。選挙を意識し、具体的な事を言わないまま無為に時間を徒過する岸田政権も、根拠薄弱な提案をする野党も無責任です。特に少子化は日々、我々の国を蝕んでいます。一日、一日が勝負です。もう駆け引きをしている時間はありません。そして、きちんとした案が出て来たら、我々は党派を超えてそれを支えます。
国防についても述べさせていただきたい。明らかに日本の周辺に脅威と言えるものがあり、それについて備える事は当然です。ただ、この議論は非常に難解であり、国民各位に深く理解していただくのは極めて難しいです。誤解されることの多い表現ですが、当に論語「泰伯」にある「由らしむべし知らしむべからず」です。だからこそ、為政者はその政策に信頼感を持っていただくよう務める事が必要です。その信頼を勝ち得る努力を岸田総理はして来たでしょうか。小手先の答弁テクニックに走らなかったでしょうか。
そして、安保3文書が出された後、必要なのは「外交」です。本来であれば、この安保3文書が出されるのと同時に必要だったのは、周辺国とどう付き合うのか、どう導いていくのかという外交のヴィジョンでした。岸田総理にはもっともっと「外交」について雄弁に語ってほしかった。私の偽らざる心境です。
以上、厳しい事を多々述べましたが、我々有志の会はこの難局に力強く立ち向かう気概、困難な選択からも目を背けない覚悟を持ちながら歩むとの決意を述べ討論といたします。